2007 - 65 ロッソ熊本 VS FC刈谷
Jリーグ参入へのカウントダウンが始まっているロッソ熊本と地域リーグとの入れ替え戦が目前に迫っているFC刈谷との対戦。チーム力には間違いなく力の差が存在しているはずなのですが...という試合でした。
試合観戦記の前に。私の隣の家のロッソサポの方が所属していらっしゃるサポーターグループの方々の写真です。→ 写真の表示
ロッソ熊本もJFLでありながらも、ゴール裏のみならずこういったいくつものサポーターグループがありましてチームをみんなで支えております。メインスタンド、バックスタンドの"赤着用率"も高いですし、人口やスタジアムキャパ(KKウイング)から考えても地域に根付いてきたら新潟や仙台のような発展を見せるかもしれませんね。楽しみです。
さて、試合ですが、ロッソはJリーグを目指しているチーム、JFLでも上位のチームということでちょっと厳し目な評価を。
熊本はVTRを繰り返すが如く、非常に攻撃が単調でした。いえ、長いサイドチェンジが多く、傍目にはダイナミックな展開のサッカーをやっているように見えると思います。私はメインスタンドで見ていたのですが(予断ですが、八代はお金払わなくても外からフェンス越しに試合が普通に見えますね。)観客の皆様も比較的声を出される方が多く、しきりに逆サイドのフリーの選手に対してのパスを要求しておりました。
逆サイドへの展開というのは、逆サイドにいる選手の前方に大きなスペースがあったり、逆サイドの方が数的有利で崩せる確率が高い場合であったりすれば、展開した後のそのサイドからの攻撃が有効となります。
ロッソの場合は上のようにサイド攻撃(サイドチェンジの結果の攻撃)で有利な状態を作るアクセントがありませんでした。例えば、一度中央で相手のディフェンス陣を寄らせておいてスペースを作ってからの外への展開や、(リスクをかけてでも)サイドバックを攻撃に参加させ、数的有利を作ったサイドへの展開などですね。ロッソにはそういった相手ディフェンスを崩す攻撃のプロセスが確立されていませんでした。
ロッソがやっていたサイドチェンジはいたって単純。サイドでボールを受けても刈谷が守備ゾーンを作っているのでなかなか縦への突破ができない。ですのでボランチやセンターバックへボールを戻す。すると逆サイドの選手が空いている → サイドチェンジの繰り返し。
一瞬、サイドチェンジが決まってすごくチャンスのように思えるのですが、その間に中央にはまったくボールが入っていません。ですのでボールが左へ右へと大きく流れている間に刈谷の選手はそのまま並行に横に移動するだけで守備ゾーンはまったく崩れていないのです。
くどいですが、もう一度言います。このサイドチェンジの前に一度中央にボールを入れてセンターバックをつり出したりすると、展開した後にマークがずれがちになるのですが、マークを見ている選手が変わらないまま、右(左)目で見ていたボールが左(右)目に変わっただけ。
もう一つ問題が。逆サイドに選手がいるという状態は選手が密になるエリアがないということです。密になるエリアがないということは人数をかけて崩すことができないということ。個々の選手にドリブル突破力があればいいのですが、ロッソのサイドはそこまでは突破力がありませんでした。市村の縦へのドリブルからのクロス以外に縦への推進力を感じるシーンがなかったですね。
縦へ突破できないとなると、そこで選択されるのはペナルティエリアの角やや後ろからあげられるアーリークロス。浅い位置から何度も何度もクロスがあがっていたのですが、刈谷のディフェンスラインは待ってました状態ではじきかえしていました。ロッソのツートップはヘディングで競り勝てるタイプではありませんでしたし、比較的対応は楽だったと思います。
この試合のロッソの攻撃をまとめると...
右へ展開
↓
ボランチ(センターバック)へ戻す
↓
左へ展開(この後、再び右へ展開することもあり)
↓
アーリークロス
↓
はじき返される。
この攻撃以外では、フォワードが飛び出してディフェンスラインの裏に長いボールをだすとか。いずれにしても最後は長いボールであったので精度を欠いたまま終わってました。
YKKAP戦でも書いたかもしれませんが、ロッソは中央にくさびで足元に入れるボールがほとんどありません。だから相手のディフェンスラインが崩れるきっかけができないんです。マークをずらすパス、スペースを作る動き、人数をかけるエリア。ただやみくもに空いている選手に対して右へ左へとパスを入れるだけでこの日の刈谷のように集中したディフェンスであったら崩すのは至難の技でしょうね。
ひとつ、惜しいシーンがあったのはこんな感じ。左サイドの西森が前方に張ってボールを受ける。しかしながら前を向けずに相手ディフェンスに追われて下がりながら小森田にボールを返す。ここで西森がディフェンスをつれて下がったので、そのスペースへ山内がいい走りで入ってくる。ところが小森田は右サイドへ大きな展開をする。コモ!ここは山内への縦へのスルーパスでしょう!!!結果、右サイドへ展開しても、左サイドに小森田、西森、山内が残ったままで中央が薄く、アーリークロスを上げても高橋1人ではディフェンス3人には勝てませんでした。
熊本は左サイドよりは右サイドの方が縦への推進力がありましたので、もっと右サイドを基点に人を集めて攻撃を展開したらよかったと思います。左サイドバックの福王は攻撃に特化した選手ではないので大胆なオーバーラップは見込めませんでしたしね。
得点が入る気配はセットプレイだけでしたが、コーナーキックのこぼれ玉を山口武士が素晴らしいミドルを決めて1点を守りきりました。あのシュートは「キーパー一歩も動けない」を地で行ってましたね。見事でした。
そんなこんなで、話は変わって我らが矢野くん。相変わらずヘディング強い!上村に隠れていたけど、矢野もこのカテゴリーではすごかった。そしてもうひとつ!鳥栖時代にはないクオリティを見せてくれました!それは...
ボレーでのパスミス(笑)
もう、プレスもないからボールを落ち着けたらいいのに、無理にボレーでロングパスを通そうとするもんだからパスミスになって流れ止まるしw
刈谷はなんと行っても前線のキープ力がなさすぎ。ディフェンスラインは頑張ってましたが、ボランチとフォワードがあまりにもボールをさばけず。更に惜しかったのは、ロッソはあるタイミングで長いボールが来るというのが計れていましたので、その瞬間に思い切ってラインをあげてオフサイドを取る事ができなかったかなと。ラインを下げるばっかりだったので、攻撃の起点が低すぎてちょっと厳しかったですね。この試合では刈谷が取ったオフサイドはゼロだったのでは。
この試合の結果、ロッソはJリーグへの参入をほぼ確実にしました。あとはすべての試合が引き分けでも参入は決まります。今年は絶対に結果を残さなければならなかったロッソですが、ついに舞台をJリーグに移しての戦いになります。サガン鳥栖、アビスパ福岡との九州対決も楽しみですね。