サガン鳥栖 VS ベガルタ仙台:横浜FC (ベアスタ)

2008年7月14日 19:23

2008-21 サガン鳥栖 VS ベガルタ仙台
2008-22 サガン鳥栖 VS 横浜FC

ベガルタ仙台戦は、一人退場した挙句にPKでリードを許した段階でゲームセットだったのかもしれません。ましてや高地、内間と怪我を押して試合に出続けていた選手たちがいた状態ですので、走りが身上のチームに得点を奪う手立ては残されていませんでした。惜しむらくは最後のカードで山城をベンチにひっこめてしまった点でしょうか。内間の様子がおかしいのは観客席からでもはっきり見てとれていましたからね。

仙台戦は試合が進むにつれて、前線のプレッシャーのかけ方と、中盤移行のラインの押し上げにわずかなギャップがあったように思えます。体力的な問題もあるので何ともいえないのですが、前半はある程度チーム全体でうまく試合を進めていただけに、後半が進むにつれてチームとしての組織が失われていくのが少し残念でなりませんでした。

仙台はリードを許しても、プレッシャーをかけられても、簡単にロングボールを使うことを良しとしておりませんでした。あくまでも足元でつないで攻撃の糸口を割り出していくやり方ですので、鳥栖はプレッシャーで奪えているうちはよかったのですが、段々と体力がなくなってきたときに対処ができなくなってきました。まさに自分たちの形を崩さない事がボディブローのように効いてきたという事ですね。

結果、鳥栖の選手たちは後半に入るとファールで止めざるを得ない状態になるほど、相手の選手に一歩先に抜けられてしまいました。同点のシーンですが、セットプレイで岡山を注意しなければならないのはもちろんですが、あの位置でファールをしてしまうこと自体で既に終わっていたのかなとも思います。日高が退場してしまったのも、スルーパスでうまく体を入れかえられてしまいましたね。あの場面は鳥栖のディフェンスと仙台の攻撃陣が確か2人VS2人だったのではないかと思います。

ただ、試合を通して思ったのは、シーズンの序盤に比べると、リスクをかけてでも攻める動きが鳥栖はでていたと思います。もちろん、カウンターの危険もあるわけですが、それ以上に点数を取りに行こうとする全体の動きや気迫、そういった数値で現れない動きがシーズン開始当初より見える気がします。逆転負けしてしまって残念だったのですが、試合としてはおもしろい試合が見られたと思います。

で、横浜FC戦ですが、結果的には上記のように攻撃に人数をかけてくるかかけないかの違いで1点がはいるかはいらなかったかの明暗が分かれた試合だったように思えます。もちろん、鳥栖の方が攻撃にかける人数の方が多かったですよね。

横浜FCは攻撃→守備への切替は素晴らしく早かったと思います。鳥栖のカウンターでその一本のパスが通ればというところをセンターバックの二人が通させなかったり、パスの出し手へとチェックにいって攻撃を遅らせるなど、攻めようとするところで寸断されてしまっていました。鳥栖の攻撃が焦りすぎた場面もあったかもしれませんが、裏へ一発で抜けてビッグチャンスという機会はまったく作らせてもらいませんでした。

しかしながら、表裏一体ではありませんが、横浜FCが攻撃に人数をかけていなかったというのも守備の堅さのひとつの要因としてはあります。サイドのフリーの人間に対して、いいボールが行き渡ったと思っても、孤立してしまって攻撃のサポートがない。せめて、相手と1VS1であれば突破のチャンスも増えるのですが、鳥栖の横への連動が効いておりましてフリーの選手に対して二人で対処しようと構えておりました。

また、三浦が左サイドバックに入っていましたが、彼が攻撃になかなか貢献できていませんでしたね。あくまでもフリーキックの飛び道具の時のみが彼の活躍の場所でありました。横浜FCの攻撃が機能しないところは中盤のダイアゴナルランが少なくて対処しやすいところにあったと思います。鳥栖のようにポジションチェンジを繰り返したり、ボランチが飛び出したりという攻撃の方が良いとは一概には言えませんが、ボランチより下の選手がアクセントとして攻撃のスパイスとなるような動きはできていませんでしたね。また、アンデルソン、難波、池元の突破が決まったときは形になるのですが、彼らが止められてしまったときにどのようにして形を作るのかというのが伝わってきませんでした。守備は組織的にできても、攻撃が個人能力に依存するのでなかなか勝ちきれないのかなとは思いました。

そんな中でも鳥栖の守備にミスは発生するのでありまして、ペナルティエリアのいわゆるデルピエロゾーンと呼ばれるところでボールを受けた池元に対する守備は1点入ってもおかしくないミスがありました。池元に対するマークは飯尾がついたのですが、彼は中央に下地がフォローに入ったのを見て、池元の縦への突破を防ぐ形で構えております。注文どおり、池元は飯尾のケアしているサイドである縦への突破を選択せずに、中央に切り替えしてきました。それこそがまさに池元に対する罠でありまして、下地がボールを奪うまさに"下地(したじ)"であったのですが、下地のチェックが遅れて池元に左足のシュートを許してしまいました。

攻撃では適度にボールを散らし、ポジションがぶれないことから守備のフォローも的確で、今回の勝利への貢献度が高い下地だったのですが、このミスだけは今後の大きな反省材料としてほしいと思います。必ずしもシュートブロックにスライディングに行けとは言わないのですが、シュートを打たせて室のファインプレーを呼び寄せたことは、下地としてはやってはいけないミスであったと思います。極端に言えば、このプレイによって飯尾からの信頼をなくせば、飯尾自身が個人守備にならざるを得なくなってしまってチーム組織が機能しなくなるということですからね。

鳥栖は攻撃に手数をかけているときに追加点がとれなかったのは今後の課題でしょう。圧倒的有利な状況で個人突破を試みてつぶされるのは決して賢いプレーではありません。シュートが打てるチャンスでパスを出してしまうのも賢い選択ではありません。その場の最適選択というのは結果論になりがちですが、結果的にチャンスを逸してしまっているわけなので、考えないといけないところでしょうね。

最後にひとつ。谷口は藤田と何が違うのかをもっと感じ取って、普段のトレーニングで身につけることができるように頑張って欲しいですね。谷口が鳥栖で戦っていく上で進むべき道は藤田になることだと思います。キムシンヨンではなく、藤田になる事です。鳥栖のサッカーでは、彼にクロスを合わせるわけでもなく、彼にスルーパスを出すのでもなく、彼が得点を取れる形に周りが動くわけでもない。得点者が誰であろうと、点数が取れる形を全員で作っていくのです。結果、今回は飯尾が決めましたのですが、そういうチーム構成でも藤田の得点が多いのは彼の動きに秘訣があるはずです。難しい表現ですが、ストライカーではなく、フォワードとしての動きをもっともっと吸収して欲しいと思います。

 

福岡ソフトバンクホークスの運営に学ぶスポーツチーム経営の難しさ

2008年7月 2日 12:52

サガン鳥栖やロアッソ熊本は財務状況は決していいものではありません。アビスパ福岡や大分トリニータもいまだ胸スポンサーが決まらずにどのチームもチーム運営資金に関しては頭を痛めていることでしょう。

そんな中、九州のプロスポーツの雄であります、福岡ソフトバンクホークスの決算状況が公開されていました。
どれだけの利益をあげているのかと思いきやなんとなんと赤字決算だった模様 であります。

状況を詳しく知りたかったので、日経本紙を読ませていただきました。
野球事業の売上と入場者数は増加でそれぞれ205億円と230.7万人。そのうち、入場料収入は64億円、広告&放映収入は58億円、販売&飲食収入は42億円。ただ、ホークスの場合はこれでも営業損益が25億円もでているとのことです。費用の中でも球場使用料が48億円かかっているのが効いているとか。

今後の収支改善のために考えているのは、携帯で空席確認、チケット購入、さらには入場までできるようなシステムを導入し、更に座席を8000席増加させる計画があるとのこと。戦績に左右されない収入を目指しているとの記事でした。

...スケールが違いますね(笑)

スケールが違うというだけで終わらせてはいけないとは思いますが、ただただ驚くばかりです。ホークスの入場料だけでサガン鳥栖が何チーム経営できるでしょうか(笑)でもそんなホークスでも赤字運営なのです。

ただ、ホークスがここまでの赤字を出してもまだ救われるのは、あくまで本体の広告等の役割を果たしているからです。ソフトバンク携帯の利用者の純増に関しては九州が他のどの地域よりも高いということ。増してや、先ほどの計画であがっておりました、携帯で入場できるシステムをリリースすれば、ソフトバンク携帯の利用者はいい席を優先的に確保できる可能性もありますし、本体の営業で十分賄える仕組みができます。

九州のサッカーチームの場合は、メインスポンサーというのがありませんのでそういった広告塔としての役割や赤字の補填という事ができないんですよね。だからこそ単年勝負でなければいけない。営業状態や集客が悪ければチームがなくなるなどの話もでてくるし、人件費に費用をかけられないが、J1で戦わないと収入が落ちるので負け続けるような戦力ではやっていけない。損益分岐点が非常に難しい経営ですよね。

試合数や選手構成の異なるホークスと単純に比較してもいけないのでしょうが、あれだけ人気があって、あれだけお客さんが入り、あれだけ収入をあげているにも関わらず赤字経営であるという事は、人気もスポンサー力も劣るサッカーの場合はもっともっとシビアな経営をしなければならないという事を示していますよね。

ホークスにもいろいろな問題点はあると思います。選手の人件費の増加(松中にあれだけ払う必要はあるのか、パウエルはそこまでして取らなければならない選手だったのか)もひとつの大きな問題ですよね。ただ、前述の通り、勝つことが使命のようなチームですからそこら辺りは目をつぶるしかないのでしょう。

最後、ホークスが語っていた、「戦績に左右されない収入を確保する」というのをサッカーにあてはめてみるとどうでしょうか。
J2に落ちると観客動員がぐっと減っているいまの状況では経営が安定することはないのかもしれませんね。
自治体に頼らざるを得ない経営から脱却できる日は来るのでしょうか。

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