サガン鳥栖 VS  アビスパ福岡 (ベアスタ)

2008年6月 2日 15:10

2008-15  サガン鳥栖U-13 VS アビスパ福岡U-13
2008-16  サガン鳥栖 VS アビスパ福岡

第1クールは、思い描いていた勝ち点を得られないばかりか、将来のためにという経営指針や3試合の結果をみて判断するという約束が雲散霧消してしまい、現有戦力、現体制のまま今年を戦わざるを得なくなってしまった福岡と、第1クールはなかなかの好位置につけ、昇格へ向けてチーム一丸となって戦う鳥栖。このような状態で行われた2008年度九州ダービー第2戦でしたが、気迫に勝る福岡の完勝で幕を閉じました。

試合ですが、ここであえて筆者の直観的な感想から言わせてもらいますと、この試合の鳥栖の4-4-2のボックス戦術が福岡のマンマーク戦術に段々と手詰まりを起こしていき、なす術がなく打ちひしがれる様は、まるで前節、仙台が福岡に敗れた時のVTRを見るかのようでした。試合が進むにつれて自分たちがやろうとすることができず、チャンスもできず、点差もつまらず、過ぎていくのは時間のみ。手詰まりが段々と焦りに変わり、そしてやりたいことの半分もできぬままに試合が終わってしまった感があります。

岸野監督もインタビューなどで、福岡の出方は分かっていたし、福岡のやり方も分かっていた、ただ、試合をこなしていく上での修正が効かなかったし、先に点を取られて落ち着きがなくなっていたとおっしゃっています。ですので、マークにつかれることも分かっていたのでしょうが、そのマンマーク戦術に対抗するためには、相手と1VS1になる事が多いのでそこで恐れずに仕掛けていく勇気と、目の前の相手を打ち破って突破する力が大事なんですよね。実際、谷口の同点ゴールも義希がボールを持ってドリブルでしかけていたからこそであります。タレイにひきずられながらもドリブルで前を向いて攻めたからこそ、谷口についていた布部がつり出されることになり、マークが一瞬空いた隙を狙っての素晴らしいパスでした。

この試合では、気持ちの部分において負けていたという指摘もあります。試合において「気持ち」というのは数値化もできず、理論としても成り立たないので厳密にそれが理由になるかと言われると証明することはできません。ただ、勝とうとする気迫、鼓舞する勇気があればドリブルでのしかけや、シュートブロックへの体の投げ出し、カウンターの時の攻守の切り替えなど、ひとつひとつのさぼらない動きにつながり、見ている人は敏感に気づきますよね。勝利へとつながる次の動きに対して躊躇しない、疲れを感じさせないプレーというのが精神面によって影響を及ぼし、そこが「気持ち」の違いと表現できるとすれば、福岡の選手たちの方が鳥栖の選手たちよりも完全にうわまっていましたね。福岡の前線からの激しいプレスに鳥栖の選手たちが完全に圧倒されていました。

ただ、鳥栖の選手たちは何かをやろうとしてもがく姿は十分に見てとれました。各々がスペースを作ろうとして縦横無尽に走り回ったり、ポジションを変えたりとして、また、その成果が現れる兆しもできていました。ところが、皮肉にもあまりにも動きすぎた結果、パスを出したいスペースに選手が入っていなかったり、展開したいサイドに選手がいなかったり、本来の役割を担うべき選手がいないという事が多く見受けられました。実際、動き回る事によって、福岡のディフェンスラインの前の大きなスペースを空けることもありましたが、スペースを作ることが最終目的となってしまい、そこきっかけとして使う事ができなかったのが残念です。特に、今日の高地はいつもよりもボールに触る回数が少なかったですし、シュートに直結するような仕事がまったくできていませんでしたね。

だからこそ、仙台戦の結果でも書いていましたが、藤田ワントップの高地トップ下など、彼らを中央に固定しつつも自由にさせることによって、福岡のマークのブレを生み出し(ワントップだとストッパーとスイーパーの動きを中盤のフォローへと柔軟に変えなければいけない)、そして周りの動きを引き出す(彼らがいる場所が分かっていたならば"壁"として使う事によってワンツーなどに利用する)など、手詰まりを起こしていたからこそ、フォーメーションを変えることによって打開を図ると言ったことも戦術の一つの選択肢としてなかったかなとは思いました。前半から両サイドの裏へロングボールを再三放って布部の疲弊を誘うといった泥臭いような事もやってみたかったですね。

谷田に関してはちょっと不運でしたね。いい位置にいるにも関わらずなかなかボールがそこに出てきませんでした。岸野監督からは交代後に、彼自身の前半の動きと後半の動きの違いや彼が行うべきプレーについて指導を受けていたみたいですが、彼がフリーでいた時に彼を使ってあげるという周りのサポートも必要だったかのように思えます。

筆者的に鳥栖の弱点を改めて感じてしまったのは、柴小屋、飯尾の位置からのロングフィードですね。藤田と谷口が中央でセンターバックを引きつけている状態で、レオナルド、高地が低い位置にいると、福岡のディフェンスラインのサイドのスペースを空きますが、そこへサイドバックである谷田、日高、ボランチの義希、衛藤などがいい走りをしても、残念ながら彼らの足元にボールがでてきませんでした。その他にも藤田や谷口がサイドを狙ったボールがそのまま頭を越えてでてしまったりとかもありましたね。ディフェンスラインからのフィードは通ればビッグチャンスにつながる可能性を秘めています。柴小屋と飯尾のミスキックは非常に痛かったですね。F・デブールやミハイロビッチがいたら鳥栖は3点くらい取れていたかもしれません(笑)

守備に関しては、失点はすべて相手をフリーにしたことが一番の原因でした。PKを奪った久永もあのゴール前の深い位置でフリーでボールを受けて前を向く事ができましたし、長野のシュートも絶好のシュートポジションでボールを受け、衛藤が釣られてしまうくらいターンがうまかった事もありますが、前を向いてシュートを打つ余裕を作らせてしまいました。マンマークの守備で来る福岡に対して、鳥栖は人に着くことができずに失点をくらってしまうという、ホントにこの試合は皮肉のオンパレードのようでした。

また、赤星は前回の無念さを晴らす事ができませんでしたね、残念です。彼がとられた3点に関しては、すべてチーム全体のミスというのもあるでしょうが、前回の汚名返上のためにも、なんとかどれか1点くらいは止めて欲しかったですね。

さて、2連勝をあげた福岡ですが、全体が与えられたタスクを非常に誠実にこなし、全体の意志統一と気迫のこもったプレーが勝利へと結びつきましたね。先に点を取って追いつかれても、慌てることなく戦える余裕がありました。それも、各々がタスクを与えられているという試合に対する安心感があるからこそだと思います。点を取られても同点まででしたので、当初の予定であるマンマークでの守りを基本としながら隙を見て攻撃をしかけるという軸がぶれていませんでした。そういう意味からいくと、谷口のヘディングをクリアした布部のプレーはこの試合での大きなポイントだったかもしれませんね。

福岡がこの配置にして、攻撃、守備のバランス面がよくなったことも確かなのですが、筆者的には、中盤から下が厚くなったことによって、久藤が攻撃に特化した動きができるようになった事が大きいと思います。彼はボールを持てて的確なパスを送ることができますので、福岡の現在のカウンターへの切り替えの遅さを補う動きができていると思います。大久保と久藤は足元が強く、そして柔らかく、彼らが攻撃のためをつくることが実際に点につながっていますよね。

さらに、久藤とタレイを底に並べ、サイドバックを上がらせる事によって攻撃を作り出していた頃は、タレイの動きに制限ができていました。ところが、タレイも、中盤から下が厚くなって味方と相手の動きに対して余計な気を使う必要がなくなり、比較的中盤におけるフリーマン的な役割を持たさるようになりました。自由を得た事によって彼が元から持っている能力を発揮することができ始めましたね。ちょうど、昨年、シーズン途中で加入したての頃では能力の片鱗は見せてもいまいちフィット感のなかったセレッソのジェルマーノが、昨年の終盤頃にフィットして大車輪の活躍を見せだした頃に似ております。チームというのは恐ろしいもので、ひとつの歯車がかみ合いだしますと、それが全体に波及して好循環を生みますね。

ただ、福岡のこのマンマーク戦術はあくまでリアクションサッカーなので、継続性や、昇格という意味で行くとこのままではつらいかなとは感じます。いまのJ2では攻撃的であれ、守備的であれ、自らが動きのアクションをとって主導権を握るサッカーができないと4位までは勝ちあがっても3位になるには一つの壁があるのではないかと。

マンマークの場合は、相手のポジションやフォーメーションがはまると、この仙台や鳥栖相手のように非常にいい戦いができるのですが、広島戦がいい例でありますが、ワントップとツーシャドウのような、相手と自陣のポジションとマンマークがはまらない相手では対処に戸惑いが見られました。また、先に点を取られてしまうと攻撃と守備のバランスが崩れることはいままでの福岡を見ると火を見るより明らかです。マンマークする相手チームがコンパクトでなく、間延びして前線への放り込みサッカーになりますと、自らまでも間延びして打ち合いになるという欠点もあります。このように、マンマークをしいて個人の力で打開するという点は、福岡には個人能力の高い選手がいるので疑う余地はないのですが、そこにはまらなかった時にもどのように戦っていくのかという解決策を選手に提示しておかないと、勝ち点の取得にブレがでてくるのではないかと思います。

また、試合とは関係ないところになりますが、、経営面に関しては、逆に勝つことが最大のまやかしでもあります。勝ってしまえば、今回、一番大きな問題となっている経営の問題や、体制の問題などがすべてぼやけてしまいます。今後、全勝してしまえばその問題が再発することもないのかもしれませんが、負けが混んでしまったらまたこの問題が噴出してきます。さて、その時にいまの経営陣はどのような回答を準備する事ができるのか。

リトバルスキーの監督延長による試合の勝敗と、リトバルスキーの監督延長による経営・体制の問題は分けて考えないといけないところです。大袈裟に言えば、試合の勝敗が問題になるのはチームが存続しているからこそでありまして、経営体制と経営基盤がこのまま揺らついている状態では、チームそのものの存続すら危うくなるかもしれません。再び連敗が続けば同じような問題で再び紛糾することは必至です。サッカーチームの運営というのは試合の勝敗で済まされることではなく、長期的視野で見た時にどのようなチーム作りをしていくかという点の方が大事なのですが、いまひとつ、福岡の現体制からでは伝わってくるものがありませんよね。

さて、試合の話に戻りますが、最後、福岡を完膚無きまでに叩き潰したこの試合での広島との違いを上げるとすれば、鳥栖はワン、ツーまではできていると思います。藤田や谷口がマークを外して引いてきて、そのタイミングで中盤がパスを通して彼らがダイレクトで落し、再び中盤の選手がボールを受けて相手を崩すきっかけを作る。ただ、この先がシュートなのか、新たなサイドへの展開なのか、ラストパスなのかという部分の判断と周りのサポート、そして正確なプレーという点が広島よりも劣っているところであり、湘南、仙台、福岡に勝てない部分だと思います。広島のワン、ツー、スリーが鳥栖はまだ、ワン、ツーで終わってしまっています。

そういう意味から行くと、決して負け惜しみではないですが、鳥栖がやろうとしているサッカーには今後の大きな成長の余地を感じましたし、福岡はこのサッカーを続けることによっても、今後の成長の余地の少なさというのを感じました。もちろん、単純に目の前のダービーに勝利し、試合で勝ち点を得ることが重要であり、実際に所属している選手の力量を鑑みると、互いにいまの状態にあったサッカーをやっているというのも感じました。

...と、長々と振り返ってみたのですが、いろんなシーンを思い浮かべれば浮かべるほど、無念さの募る九州ダービーでした。

 

コメント

試合の事とは全く関係ないんですが、福岡始まりましたね。
まあ、どういう結果になろうと座して待つしかないんですが、
今シーズンはまだ半分も消化してないのにあれこれネタが尽きませんな…orz
どうせネタクラブになるのならアレ兄も獲っちゃえって感じですがw

こんばんわ。
この動き、果たしてどうなんでしょうかね。
他のJリーグチームを見ても、よほどいい方(しかも長期政権)が出向してこない限り、チーム再建は難しいと思っていましたが、まさか外部からの資本が入るとは。
株式も譲渡するみたいですし、まだまだ序章の段階でしょうね。

でも、あの兄が来ても最終的には逃げる人ですから信頼ないですよねw(←ちょっとひどいかなw)

柏・北嶋のブログを見たら既に柏に入団したような扱いなんですがwww

これはwwwww
まさか双子の兄とはwwwww

ちなみに鳥栖は神様の息子が入団しましたが、まったく役にたちませんでした(笑)
双子の兄がどれくらいやれるかですねぇ…って、入団するかどうかわかりませんけどw

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