アビスパ福岡 VS ベガルタ仙台 (レベスタ)

2008年5月27日 18:39

2008-14 アビスパ福岡 VS ベガルタ仙台

前日に行われたサポーターとのカンファレンスでより一層の不信感を募らせる事になってしまった福岡の経営陣。アビスパのサポーターとしては消極的続投でとても現体制を心から支援をしようと思えない状況とは言え、目の前の試合を放棄するわけにはいきませんので、この体制で残りのJ2リーグを戦っていくチームを応援しなければなりません。

試合開始前から、カンファレンスへの意思表示ともいえる応援の自粛。はじめは、しんと静まり帰ったスタジアムだったのですが、セットプレイのチャンスで自然と拍手が沸き起こり、そして歓声、悲鳴、安堵、さまざまな観客の生の声に応えるがごとく、福岡の選手たちが躍動し仙台から久しぶりの勝ち点3を得ることができました。このスタジアムの雰囲気というのがまさにサポーターの後押しであり、サッカーの応援というのを根本的に見直さなければならないのではとさえ思えるような雰囲気でした。

さて、試合なのですが、ほぼ完璧な形での勝利だったので福岡の攻撃、守備がよかったのは言うまでもありません。しかしながら、そのやり方としましては広島戦で行ったマンツーマンディフェンスとほぼ変わりがなく、相手が仙台であり、しかもツートップにトップ下を明確に置かないボックス型、という福岡が守ろうとしている陣形に相手がハマってしまった感があります。

筆者としては、たとえば早い段階から中島が1列下がって平瀬のワントップにするなり、関口、リャンヨンギのどちらかが上がってスリートップ気味の戦いにするなりなどと、フォーメーションを変えることによって福岡の守らせ方を変えてくると、相手が付け焼刃の守備なのでおもしろいかなとは思っていたのですが、手倉森監督の考えとしては、練習でやっていない(と思われる)戦術を突然試合で試すのは勇気がいるという判断だったのでしょう。田村を中原に代えて来たときも、大きく攻撃の方に手数をかけてポジションがぶれるような形ではありませんでした。あえて言うならば3-5-2の形で、トップの選手の人数を変えていなかったので、そのままストッパーが一人に応対するのみでよく、浮いている布部とルダンのプレーがそのまま生きていましたね。

福岡の守備は明確で平瀬、中島のツートップをストッパーの二人がマンマークでついて、スペースに入って来たときには山形、布部が前後からカバーリングに入る。サイドにいる関口、リャンヨンギにはサイドの選手がきっちりとマーキングを行い、もしもマークの選手を放す時には明確に受け渡しを行う。こういう形の守りで仙台相手に通用したポイントとしては、ボランチの永井や千葉がフリーランニングで飛び出すタイプではなく、攻撃に携わる時はボールに絡みながら上がっていくというプレイスタイルにあると思います。ボランチが攻撃に参加してきた場合は、ボールに対する守備になりますのでマークの対応がしやすかったですね。それでも、永井のドリブルを止め切れずにPKを与えてしまったときにはこれまで同様の負けパターン(失点 → 守備の軸がぶれる → 更なる失点)という流れかとは思いましたが、神山がまさに神がかりなセーブで福岡を窮地から救いました。こればっかりは監督はどうしようもないですからね(笑)

気になると言えば、ルダンが入ってきたときに長野が司令官に対して大きく手を広げて「どうするんだ」みたいなポーズをしたことですかね。せっかくうまく行っていた守備を壊されたくないという意思表示だったように思えますが、布部を1列上げ、ルダンをスイーパーに置くというのは、やり方を変えずに選手に配置で対応するという非常に理にかなった交代だったと思えます。常日頃からこのような采配だったら文句もでないのでしょうけど(笑)

攻撃ですが、大久保のワントップということで、早めの攻撃に移るためにはボールを足元に納める形にしたかったところでしょうが、どうしても高いボールになってしまってきれいなポストプレイというのは見られませんでした。しかしながら、久藤、タレイ、鈴木という技術力の高い選手が中盤に控えているので速攻をしかけずとも、遅攻のパス回しで十分形にはなっていました。

中でも、鈴木惇のスペースに入っていく動きと正確なパス、そして久藤の落ち着いたボールさばきと前へのパスは効果的で、仙台が隙を見せた瞬間を見逃していませんでしたね。両サイドの田中、中島は外に張り付きすぎな状態であっても長いパスがばしばし通ってくるので走りがいもあったでしょう。こういう息の合ったプレイがやがてチームの信頼関係向上となり、互いに相乗効果を生み出しますよね。大久保があげた2点目も久藤からの素早い前方へのパスが非常に見事でした。もちろん、決めた大久保も前へと向かう突破の姿勢が生んだゴールですね。

1点目をあげた田中はサイドを深く切り込むところまではいいのですが、クロスに関しては福岡サポーターの溜息を誘う事が多かったですね。彼が目立つのは中にしぼってから左足でのシュートが多く、それはそれでもいいのですが、やはり彼の仕事はどちらかと言えばアシストを決める事がチームのためだとは思います。クロスの精度があがらないともう一段階上の選手にはなれないでしょう。

しかし、それにしてもやはり福岡は技術力の高い選手が多いですね。鳥栖の場合はボールを持ってプレッシャーがかかるとバタバタしてしまう事が多いのですが、福岡は個人能力が高いのでそういった中途半端な逃げのキックでボールを失う事は鳥栖よりも少ないですよね。仙台のプレスと個人能力にきりきり舞いだった鳥栖を考えるとやはり潜在能力の高いチームではありますよね。広島のペトロヴィッチ監督が第一クールが終わると「福岡も怖い」みたいな事を言っておりました。

最後にひとつ。仙台ゴールキーパーの林ですが、フェアプレイを見せてくれました。福岡の久藤が倒れているときに福岡の選手はプレーを続け、シュートまで持ち込みました。林は福岡は味方が倒れている時に攻めてきたと割り切ってカウンターに入ってもよかったのだと思いますが、すぐにボールを外にだしました。怪我をしている選手のためにプレーを止めることに関しては、規約などでも論議を生んでおりますが、筆者は素直に良いプレーだと感じました。

さて、次節は鳥栖が福岡と対戦するわけなのですが、警告累積で出場停止のキムシンヨンがいない中、どのような選手構成で福岡に挑むのかが楽しみではあります。単純に谷口を入れてツートップのまま挑むのか、恐らく同じやり方でくるであろう福岡にはまらないように藤田のワントップでやってくるのか、いずれにしても第一クールでの敗戦の借りを返さなければなりません。筆者的には上述したように、義希と衛藤の攻撃参加がキーポイントになると思います。


 

コメント

いつも丁寧な観戦レポをありがとうございます。

個人的には大久保がDF岡山(調子わるかった?)を
抜いてのゴールは溜飲を下げた思いでした。
メイン&バックからのあんな拍手は入替え戦以来でしょうか?
華麗なサッカーではなかったですが、
相手の調子が悪かった事を考慮したとしても
今シーズンのベストゲームだったと思います。
選手達の吹っ切れた姿を見ると、
つくづくメンタルは大事だと感じました。

あとは、この勝利であの社長が勘違いをしない事を祈るのみです。
しかし全国的に恥を晒しちゃいましたねw

P.S.
Kyuリーグの観戦の件、残念でしたね。
しかもそんな時に限って長崎を相手にPK戦までもつれる好ゲームやし…


いつもコメントありがとうございます。

大久保はすごかったですね!試合前のインタビューで柏時代に同僚だった岡山を倒したいって語っていたらしいですよ。まさしく有言実行のプレーでした。前へ、前へとの努力を怠らないプレーは熱い福岡のみなさまは好きなタイプでしょうね。太田のような存在になるでしょう。スタジアムの雰囲気を一瞬にして最高潮にしましたね。

しかしながら、社長は「判断が正しかった」などと既に調子のいい言葉を述べられていたとかいないとか。そしたら次に負けた時に「判断が間違っていた」っていうのかっていう話ですよね(苦笑)

新日鐵ですが、今年一度も見に行けていません。見に行きたいのですが、いろいろな趣味を持っているのでかぶってしまうんですよね^^; 今回は地域の清掃活動という、まったくもって興味のない分野に駆り出されてしまったのですが。。近所付き合いも大変です(笑)

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