湘南ベルマーレ VS サガン鳥栖 (テレビ観戦)

2008年5月11日 18:26

自分達の戦いをするべく挑んで敗れた仙台戦。

相手の良いところを消すべく挑んで敗れた湘南戦。

どちらもJ1昇格を直接争うであろう相手との対決で敗れてしまいましたが、戦い方は全く異なります。選手たちのショックはどちらの方が大きいでしょうか。そして、次節の広島戦ではどのような形で挑んでいくのでしょうか。

鳥栖はアジエルという相手の絶対的エースに仕事をさせないように、山城をマンマークにつけ、岸野監督曰く「10-10で戦う形で」戦いを挑みました。この作戦ですが、中盤の位置では非常に機能していたと思います。アジエルに対して前を向かせない形を作ったり、パスカットを狙えたりというプレイは見せてくれました。しかしながら、肝心のゴール前でのマークはというと、なまじっか他の守備の選手が入るのでマークが甘くなる所がありましたし、何よりも高さという点でまったく対応できていませんでした。山城は元々が守備の選手ではありませんので、ボールを持って前を向かれたり、フィジカルの勝負になると、残念ながら彼がマンマークについている意義というのが感じられない状態になってしまいましたね。

菅野監督が試合直後にインタビューで語りました。

「むしろ積極的にクロスをアジエルに対していれるように」

「アジエルにひとりついている分、スペースができるから周りがそこを使うように」

このように、相手の方が一枚も二枚も上手でありました。実際、前半からも作戦空しくポストやバーを叩くシュートを何度も打たれておりました。徳島のドゥンビア、熊本の高橋のように、エース以外のところでは攻め手が薄いようなチームであれば効果的であったかもしれませんが、加藤、坂本、石原と強烈な選手たちが周りをサポートしている湘南相手では、この戦い方をすることによっていつもの守備組織がつくれないので、厳しかったかもしれませんね。

ただ、後半の終盤は2点差があったからとはいうものの、キムシンヨンが入ってからはボールポゼションしてシュートチャンスを作っていただけに前半からいつもの戦いができていればという思いは少なからず燻りますね。前半からいつもの選手が入っていればもしかしたら勝てたのではないかという思いは高まります。

攻撃面では、後半になって、再三クロスをあげていたのですが、野崎の低い位置からのクロスは可能性のあるボールを蹴ることができませんでした。チャンスをことごとくつぶしていた元凶にもなっていたのですが、キムシンヨンへのアシストとなった深い位置へのドリブル突破は非常に魅力があります。鳥栖はハーフの位置でパスが出せる選手、昔で例えるならば濱田のような仕事をするべき選手がいないので、チームとしての戦い方、チャンスができる方法というのがこのあたりに隠されているのではないかなとは思います。チーム全体でサイドの深いところからのクロスで藤田、シンヨンのシュートチャンスをもっともっと作り出したいですね。福岡戦でのパワープレイも実りませんでしたし、チームとして低い位置から一発でチャンスをつくろうというのはどうしても厳しいものがあるのかもしれません。

今回の試合は、あくまで結果論なのでしょうが、山城のアジエルへのマンマークとしての投入は、敗れて勝ち点を取れなかったという結果でしたので大失敗だったと考えます。ただ、岸野監督としては、いまの鳥栖がこういった相手に応じた戦い方ができるのか、湘南へそのやり方が通じるのかというのを試してみたかったのだと思います。そういう意味では、もちろんこの試合の分析が必要なのでしょうが、ただがっぷり四つで負けるよりは、何かのヒントにもなったでしょうし、今年の残りの湘南戦で2勝できれば価値のある敗戦だったと言えるのではないでしょうか。

ただ、それにしても、何かもやもや感が残る試合でしたし、この一戦がきっかけで歯車が狂わなければいいなとは思います。

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