サガン鳥栖 VS ザスパ草津 (ベアスタ)

2008年4月15日 11:04

2008-06 サガン鳥栖 VS ザスパ草津

サッカーとは、ボールをどれだけ支配したか、シュートを何本放ったか、パスが何本つながったか、これらの要素は試合が終わってしまえば勝敗には全く関係ありません。結果を決めるのはどれだけゴールを奪う事ができたか、というたったひとつの事象に尽きます。サッカーには判定勝ちというルールはないのですが、この試合だけは判定による勝ち点が欲しいくらい鳥栖が試合を支配したゲームでした。

全体的な出来具合としては、最後の最後までハードワークを続けた選手たちを讃えたいと思います。組織と個人技のバランスがとれたいい戦いをしているチームであるというのをすごく感じました。現在のサガン鳥栖を支えているのは言うまでもなくボランチの二人ですが、ボールの奪い方が実にいいですね。鳥栖は前線とハーフのプレスがパスコースを限定する形で相手を追えていますので、衛藤と義希がボールを奪える場所にショートパスを出させるような動きができています。衛藤や義希が相手がパスを出す前に、ここぞとばかりに受け手の方に「すっ」とよって行き、そこにパスがでる瞬間は非常に痛快ですね。また、中盤でボールを持った瞬間にその選手を囲い込むスピードも速く、いまは実に中盤の守備が充実していますね。

鳥栖の今の味方を追い越す動き、味方をフォローする動き、選手たちが全体で小気味よく走る姿は見ていて非常に熱くなりますね。

さて、それはさておき個人評。

キムシンヨンですが、味方を生かそうという動き、チームとして点を取ろうとする動きが得点が取れない焦りからか、昨年よりも影をひそめています。シュートを打つことは決して悪いことではありません。長い距離でも短い距離でもシュートを打たなければ点が入らないからです。しかし確率的に考えてシュートを打つことが最適の選択であったかというと、決してそうではない場面が多かった気がします。雨が降っていてピッチがスリッピーであったならばあの選択もまだ悪くはないと思いますがね。点を取りたいという事で頭が熱くなっている状態、点を取りたいという意識が過剰にあるからこそ、スルーパスを受けて1VS1になった時に冷静に決める事ができないのかなと思います。彼の持ち味は中央でもサイドでもキープできる身体能力と一瞬のスピード、そして強力なシュート力。彼の持てる力をチームのためにフルに発揮したら、必ずシュートチャンスは彼の目の前に転がってくるはずです。このままの状態が続くようでは、個人能力としては断然上であるにも関わらず、チーム戦術上という形で谷口にスタメンを奪われる可能性がなきにしもあらずだと思いました。

藤田は交代直後に点を決めました。彼のポストプレイとシュートに至るまでのどろくささ(トラップは微妙にミスしていますしねw)は相変わらず彼らしいなと思ったのですが、コーナーキックのこぼれ球を右足でボレーシュートを放ったときは絶対に決めて欲しかった。草津に点を取られたのはその直後ですよね。藤田に限らず、先制してからもゴールのチャンスは何度もありましたが決めきれなかったですね。とりあえず復帰してゴールを決めてくれてほっとしました。今年も活躍を期待できる動きであったと思います。

野崎がチームの中でいまひとつ輝いていないように見えたのは、判断力の問題だと思います。中に選手がそろっているのに(ゴール前に鳥栖の選手が4人もいるのに!)目の前の選手をドリブルでかわす必要があるのでしょうか。(しかもドリブルはミス)上背のある選手が前線にいますので、中が見えたら簡単にクロスを上げてシュートにつなげるのも立派なチャンスメイクだと思います。また、逆に中に選手がそろっていないのにクロスを上げる場面があって、そこはドリブルで交わせばシュートチャンスが来るというところで勝負できず。彼はいいプレイをしていますがプレイの判断力が弱い。そこは監督、コーチが野崎に対して求めているプレイを伝え、そして試合に出続けてプレイの選択を肌で感じるしかないでしょうね。

先ほどの野崎のクロスの話ではないですが、草津の1点はロングボールをフォワード2人のスピードに託した結果でのゴールです。この日の草津の攻撃はショートパスをつなぐことに非常に窮々としていて、チャンスを作るにはもはやロングボールしか残っていませんでした。しかしながら、鳥栖はそのロングボールに対する処理を誤り、この試合でディフェンス陣が犯したたったひとつのミスが同点ゴールにつながってしまいました。

この試合でディフェンス陣を攻めるのは非常に刻です。なぜならば、攻撃陣はディフェンス陣が犯した何倍ものミスを犯しているからです。シュートミスは利益になりませんが、目に見える損益にもなりません。ディフェンスの選手のミスは必ず損益につながります。だからディフェンス陣のミスの方が目立つのですが、前線の選手は自らのシュートミスがこの試合を引き分けた理由だということを受け止め、そして次の試合での活躍を期待したいですね。

また、監督が自らおっしゃっていたように、いい形で試合を進めていた段階で、疲れていたレオナルドに変えてそのポジションにそのまま清水を入れるのではなく、島嵜を入れて守り方を変えてきたあたりも策に走ったかなという感はありますね。でも、あのロングボールの処理を誤らなかったら、試合をしっかりと締めていたはずですので、監督采配について言及するのは結果論と言えば結果論のような気もします。

鳥栖の歴史としてはこれまで劣勢に立つ試合の方が多かったです。そんな中でも時おり見せる上位に勝っていく様からジャイアントキラーのありがたい名前を頂戴することもありました。サッカーは強い方が、支配した方が、個人技がある方が絶対に勝てるというわけではありません。熊本戦、そして草津戦と勝てなかったのはとても悔しいですが、長いシーズンの中では「この内容でどうして勝てたんだろうか」というような試合ももちろん出てきますからね。この試合が今後の戦いの糧となってくれれば勝ち点2がなくなったのも惜しくないですよね。

ひとつだけ気になるのは開幕から3試合無失点だったのですが、ここに来て形はどうあれ3試合連続で失点を喫しております。失点の悪い癖を止めるべく、ディフェンス陣には再び気合いを入れてもらって、ダービーでは再び博多の森のアウェー側に勝利の雄叫びを響かせたいですね。

 

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