サガン鳥栖 VS 徳島ヴォルティス (ベアスタ)

2008年4月29日 01:01

2008-08 サガン鳥栖 VS 徳島ヴォルティス

日にちも経って、明日も試合があることですし簡単に振り返ります。

全体的には、非常にいい形で試合を進めることができたと思います。相手のゴールキーパーのミスによって得たフリーキックを早々の先制点に結びつけたところはゲームプランとしては最高でした。その後もいつも通り、前からプレスをかけてパスコースを限定し、最終ラインの手前であるボランチの位置でボールを奪うことができていました。

相手のパスの出しどころを未然に防ぐことができていたので、徳島の生命線であるドゥンビアへのパスが制限され、ディフェンスラインの裏へ長いボールを出されることはあっても、ドゥンビアがボールを受けて前を向いてプレーするということは許しませんでした。

この試合はチャンスが多く作れていたので、攻撃が目立ったような感じですが、むしろ守備がしっかりしていたからこそ、ボールを高い位置で奪い、そしてスペースを突いた早い攻撃に繋げることができたのだと思います。ボールを高い位置で奪うことは攻撃に直結するので非常に大事ですね。

そんな試合の中、気になったところを何点か挙げます。

まず、徳島のプレスがそこまできつくない時であっても、無理に狙って長いボールを蹴って攻めようとしていたところ。落ち着いて回せば自然と崩す事ができるのに、一発を狙うばかりにむざむざとボールを失っているプレーがあった点があったのが残念です。

次に、ラストパスの部分でショートパスの精度がかけていた点がありました。特に、義希と衛藤は繋いでいながらのラストパス、もしくは、フォワードが作ったスペースをついてフリーで受けてからのミドルシュート。チャンスを作る過程に問題はありませんが、キックの精度に問題がありましたね。このあたりは1にも2にも練習あるのみです。

もうひとつ、フレッシュな谷口を入れたことによって、筆者的には前線のプレスを強化することが主眼であるように思えました。ところが、谷口は点差と交代した時間帯がなかなか自分の体にしみこまなかったのか、攻撃に参加した後に守備がおそろかになることがしばしば。この時間帯は追加点を狙って中盤が攻撃に馳せ参じる事はあったとしても、ボールを奪われてしまったならば、フォワードであっても中盤をカバーリングするべく素早く頭を切り替えて守備へと走らなければなりません。それが交代で入ったフレッシュなフォワードの役割でもあると思います。ビハインドの場面であれば、自分が前線に残ることが大事なのでしょうが、点差と時間帯を考えるプレーを学んでいって欲しいですね。

今回は、谷口を代表として指摘してしまいましたが、チームとして、追加点を奪いに行くところと、全体を抑えて守備に注力する所の区分けがいまいち明確でないような気がしました。逆に1点を取られてからは非常に素晴らしいクロージングをしたと思います。時間稼ぎと言うと聞こえが悪いのですが、コーナーフラッグ付近でボールを奪われずにキープをし続けたプレイは秀逸でした。だからこそ、最後の場面で慌てることなく1点差で逃げ切る事ができました。

2点差の状態であのプレーができるかと言えばなかなか難しいですが、決定的チャンスが何度も決まらなかったときに、切り替えのきっかけとして割り切る事ができればよかったですね。ま、シュートチャンスが作れていただけに難しいでしょうけどね。

最後に一つ。鳥栖の攻撃はボールを奪ってからが非常に早いと思います。ただし、奪ってから中盤を経由するところまでは早いのですが、そこからシュートまでにワンテンポかかってしまうシーンが多々...。味方のフォローがない状態でも(少ない人数であっても)攻めきるプレーができればもう一つレベルの高いチームとなるでしょうね。今は、奪って、つないで、全体がスピードアップしても、攻め切る前に相手に固められてしまうことが多いので、シュートで終わる形へともうワンテンポ早めることを考えて欲しいですね。

さて、この試合で初スタメンであったパクは潜在能力は十分に魅せてくれたと思います。ヘディングでのクリアなど、センターバックとして大事な高さという部分も見せてくれました。後は味方とのコンビネーションですね。本人も語っていましたが、味方とぶつかるのだけは注意しないとですね(笑)

さて、明日は仙台戦ですが、この仙台を筆頭に、攻撃力のある水戸とFC岐阜、総合力の湘南、J2ダントツの戦闘力である広島、そして復調してきた甲府と鳥栖にとって試金石となる試合がまだまだ続きます。第1クールの後半にもいかに自分達の戦いができるかという所が今シーズンを占うといっても過言ではないでしょうね。

アビスパ福岡 VS サガン鳥栖 (レベスタ)

2008年4月22日 01:10

2008-07 アビスパ福岡 VS サガン鳥栖

「好事魔多し」

サガン鳥栖サポーターにとっては身に堪える試合、アビスパ福岡サポーターにとっては溜飲の下がる試合になったのではないでしょうか。これまで、開幕前の不安から考えると、ここまで思いの他順調に勝ち点を重ねてきた鳥栖と、開幕前の期待から考えると思うようなサッカーができずなかなか勝ち点を伸ばす事ができないでいた福岡。両チームのダービーを迎えるに当たっての思いとは裏腹に、その試合の行方は実に思わぬ形で決着をつくこととなりました。

福岡は前節までのスタメンから大幅に選手を入れ替えて来ました。入れ替えてきたスタメンが前回の岐阜戦の後にエントリーした、筆者が考えるもっとも福岡が安定するスタメンというのが...。ダービーで、しかもそのメンバーによって完封負けを喫するというのが非常に皮肉でしたが(苦笑)

鳥栖は、試合開始当初から、これまでの細かいつなぎで崩すスタイルではなく、どちらかと言うと長いボールがいつもより多い状態での攻撃となっていました。というのも、その答えは簡単で、福岡が高いディフェンスラインをひいてきたので比較的裏を狙うボールが通っていたからです。地道に細かいパスで回り道をするよりも、直接ゴールに近いところでボールを受ける事ができるならば、その道を選ぼうとしてしまうもの。シンヨンのオフサイドが多かったのも、裏を一発で狙おうとする動きが多かったから故ですよね。

ただ、福岡もディフェンスラインが刷新した事によって、思っていた通り、前節よりもディフェンスラインが最終局面で強くなっていました。鳥栖も退場後に人数の不利がありながらもサイドの深いところや、ペナルティエリアまではしぶとくボールを運んでいきました。しかしながら、宮本、柳楽という守備に長けている(当たり前ですが)選手が立ちはだかるので最終的には自由な動きができずにブロックされていました。心なしか長野も思い切りのいいプレイができていたような気がします。

鳥栖のディフェンスラインも、これまでどおりに激しくプレスをしかける中盤とのギャップがないようにコンパクトにラインを保っていました。ただ、逆にこのコンパクトなラインがグリフィスや田中の動きが生きる状態を作ってしまったともいえます。グリフィスや田中はマンマークにつかれたり、ディフェンスラインを引いて守られるとスペースをつけなくなるのでなかなか彼らのプレイが生きづらいところ。特に田中は、岐阜戦では大久保、黒部などの味方にスペースをつぶされてしまって仕事ができる状態ではありませんでした。グリフィスと田中の動きを制することに難儀したのは、中盤のプレスを掻い潜られたり、ディフェンスラインからのロングボールによって裏のスペースを上手く使われたところだと思います。退場シーンも、柴小屋がグリフィスに触れていたかどうかはともかくとして、裏を完璧に取られていました。変わって入ったパクも裏に抜けるグリフィスや田中への対応に苦労していましたね。途中、加藤を下げてまでも義希を最終ラインに置いたのは、攻撃の選手を入れる意味もあったのでしょうが、スピードのある選手に対応するという意味で実に的確なベンチワークだったように思えます。

福岡にとっては試合の展開が非常に好都合になりましたね。福岡が一番怖いのは、攻めなければならない状態になったときに攻守のバランスが崩れること。攻撃に注力してしまうと、どうしても前がかりになってしまいがちでリスクマネジメントに欠けてしまい、反撃を食らうことが多くなってしまいます。もらった得点とは言え、先制点と追加点を奪えたことは、その後の時間を精神的な負荷なく守備に注力をすればよくなり、いいところでボールを奪えば、攻めあがってきた相手の裏を単純に狙うことができるので余計に田中とグリフィスが更に生きることになります。

失点についてですが、筆者的には加藤のミスはボールを奪われた事ではないと考えます。ボールを奪われたシーンももちろんやってはいけないプレーですが、そのボールを取り返そうとしてグリフィスに対して簡単に飛び込んでしまいました。これが一番よくなかった対応だと思います。もし、グリフィスが味方のパスによりあの位置でボールを受けて加藤がマークについたのであったら、彼はボールに飛び込まずに時間をかけて味方の守備陣系が整うまで粘りのディフェンスを見せるはずです。ミスでボールを失ったことによって冷静さを欠いて奪いに行こうとしたプレイが田中へのアシストにつながりました。

鳥栖の攻撃ですが、谷口の投入して3トップにしたのは、退場して人数が足りなくてもこれまでと変わらず繋ぎとロングボールの双方を織り交ぜて攻撃を組み立てていた状態から、もっとゴールに近いフォワードの位置で勝負をしようという意図に切り替えたのだと思いました。ただ、それにしては依然とつなぎにこだわる部分が多かったように思えます。攻撃の手順として、どちらが鳥栖らしいかと言えばもちろん素早いプレスから高い位置でボールを奪い、細かく繋いでオーバーラップを交える攻撃がよいというのは実に明白です。しかしながら、この試合は2点リードされて、1人少ないといういつものサッカーが出来ない事態であり、いわばギャンブルをしかけないといけないような状態になっております。そのための3トップで、ロングボールの放り込み続けるのも辞さずの構えだったのでしょうが、現場の動きがベンチの思惑とはちょっと違った部分もあったのではないかなとは思いました。

結果論でしょうが、前線にフィジカルに強い選手がいたので、もっと単純にクロスや長いボールを入れてよかったですよね。サイドで1VS1になっても、ゴール前に味方の選手がそろっていたので必ずしも目の前の選手を抜く必要ありませんでしたよね。ガンバ大阪の橋本は右サイドバックに入ったときは、タイミングのいいオーバーラップを見せてボールを受けた後に、相手を交わしきることないまま実にいいタイミングでクロスを上げています。相手を抜くことはクロスを上げる状態を作る手段の一つであって、必ずしも目的ではありません。キムシンヨンが精神的に落ち着いて試合に望める状況を作りだしたいですよね。

とにかくこの試合の鳥栖の選手はミスが多かったと思います。大小様々なミスがありましたのでこの試合で勝てなかったのは当然の結果だと思います。ただ、選手たちが口々にしていた「ミスが原因であり、技術面や戦術面での問題ではないので次の試合に影響ない」という考えはちょっと危険かなと。今回のミスは草津戦では表立っては目立たなかった積極的なミス(シュートミス、パスミス、連携ミス)から受動的なミス(キャッチミス、トラップミス、キックミス)とミスの種類が変わっております。これらの受動的なミスは積極的なミスに比べて精神面に依る所が大きいです。ミスが原因だから次はこのような試合にはならないという事ではなく、このミスが蔓延する状態になった原因や精神状態、試合への入り方をしっかりと分析して、技術面でも心理面でも不安のないようにしっかりと次の試合に備えて欲しいです。

福岡も、同様にこの試合の事は忘れて、今日のスタメンで更にバランスよく守備と攻撃の時間帯を自らのイニシアチブによって作り上げることが重要ですね。グリフィスと田中が生きるためには大久保はどのような動きをしたらいいのか。タレイのよさを引き出すために久藤、久永、中村、宮本はどの位置で構えたらいいのか。福岡は攻撃のポイントであるグリフィス、田中、タレイを生かす形で全体を構築すれば自ずと守備も安定すると思います。彼らは個々の能力が非常に高いので、局面において人数をかける部分を間違えなったら、必要最低限の約束毎さえ守ることができれば、戦術に依らなくても攻撃も守備も十分に戦える事ができると思います。

最後、筆者の感想ですが、博多の森のピッチがいつもよりも芝が短く、そしていつもよりもボールが弾んでいたように思えます。赤星は福岡大学ですので博多の森でも何度となく試合をした事があるはず。彼の想定でのボールの動きと少し違うところがあったのではないでしょうか。プレー、環境、共に慣れが生んだ悲劇とも言えるかもしれません。ただ、2点目を取られた後、特に後半に何回もあった赤星のファインセーブはこの試合を最後まで分からないと思わせた要因でもあったと思います。

今年最初の九州ダービーはおよそ、予想もつかぬ展開となってしまいました。次回の対戦までには互いにチーム状態をあげていき、技術と精神の充実した戦いであって欲しいですね。

サガン鳥栖 VS ザスパ草津 (ベアスタ)

2008年4月15日 11:04

2008-06 サガン鳥栖 VS ザスパ草津

サッカーとは、ボールをどれだけ支配したか、シュートを何本放ったか、パスが何本つながったか、これらの要素は試合が終わってしまえば勝敗には全く関係ありません。結果を決めるのはどれだけゴールを奪う事ができたか、というたったひとつの事象に尽きます。サッカーには判定勝ちというルールはないのですが、この試合だけは判定による勝ち点が欲しいくらい鳥栖が試合を支配したゲームでした。

全体的な出来具合としては、最後の最後までハードワークを続けた選手たちを讃えたいと思います。組織と個人技のバランスがとれたいい戦いをしているチームであるというのをすごく感じました。現在のサガン鳥栖を支えているのは言うまでもなくボランチの二人ですが、ボールの奪い方が実にいいですね。鳥栖は前線とハーフのプレスがパスコースを限定する形で相手を追えていますので、衛藤と義希がボールを奪える場所にショートパスを出させるような動きができています。衛藤や義希が相手がパスを出す前に、ここぞとばかりに受け手の方に「すっ」とよって行き、そこにパスがでる瞬間は非常に痛快ですね。また、中盤でボールを持った瞬間にその選手を囲い込むスピードも速く、いまは実に中盤の守備が充実していますね。

鳥栖の今の味方を追い越す動き、味方をフォローする動き、選手たちが全体で小気味よく走る姿は見ていて非常に熱くなりますね。

さて、それはさておき個人評。

キムシンヨンですが、味方を生かそうという動き、チームとして点を取ろうとする動きが得点が取れない焦りからか、昨年よりも影をひそめています。シュートを打つことは決して悪いことではありません。長い距離でも短い距離でもシュートを打たなければ点が入らないからです。しかし確率的に考えてシュートを打つことが最適の選択であったかというと、決してそうではない場面が多かった気がします。雨が降っていてピッチがスリッピーであったならばあの選択もまだ悪くはないと思いますがね。点を取りたいという事で頭が熱くなっている状態、点を取りたいという意識が過剰にあるからこそ、スルーパスを受けて1VS1になった時に冷静に決める事ができないのかなと思います。彼の持ち味は中央でもサイドでもキープできる身体能力と一瞬のスピード、そして強力なシュート力。彼の持てる力をチームのためにフルに発揮したら、必ずシュートチャンスは彼の目の前に転がってくるはずです。このままの状態が続くようでは、個人能力としては断然上であるにも関わらず、チーム戦術上という形で谷口にスタメンを奪われる可能性がなきにしもあらずだと思いました。

藤田は交代直後に点を決めました。彼のポストプレイとシュートに至るまでのどろくささ(トラップは微妙にミスしていますしねw)は相変わらず彼らしいなと思ったのですが、コーナーキックのこぼれ球を右足でボレーシュートを放ったときは絶対に決めて欲しかった。草津に点を取られたのはその直後ですよね。藤田に限らず、先制してからもゴールのチャンスは何度もありましたが決めきれなかったですね。とりあえず復帰してゴールを決めてくれてほっとしました。今年も活躍を期待できる動きであったと思います。

野崎がチームの中でいまひとつ輝いていないように見えたのは、判断力の問題だと思います。中に選手がそろっているのに(ゴール前に鳥栖の選手が4人もいるのに!)目の前の選手をドリブルでかわす必要があるのでしょうか。(しかもドリブルはミス)上背のある選手が前線にいますので、中が見えたら簡単にクロスを上げてシュートにつなげるのも立派なチャンスメイクだと思います。また、逆に中に選手がそろっていないのにクロスを上げる場面があって、そこはドリブルで交わせばシュートチャンスが来るというところで勝負できず。彼はいいプレイをしていますがプレイの判断力が弱い。そこは監督、コーチが野崎に対して求めているプレイを伝え、そして試合に出続けてプレイの選択を肌で感じるしかないでしょうね。

先ほどの野崎のクロスの話ではないですが、草津の1点はロングボールをフォワード2人のスピードに託した結果でのゴールです。この日の草津の攻撃はショートパスをつなぐことに非常に窮々としていて、チャンスを作るにはもはやロングボールしか残っていませんでした。しかしながら、鳥栖はそのロングボールに対する処理を誤り、この試合でディフェンス陣が犯したたったひとつのミスが同点ゴールにつながってしまいました。

この試合でディフェンス陣を攻めるのは非常に刻です。なぜならば、攻撃陣はディフェンス陣が犯した何倍ものミスを犯しているからです。シュートミスは利益になりませんが、目に見える損益にもなりません。ディフェンスの選手のミスは必ず損益につながります。だからディフェンス陣のミスの方が目立つのですが、前線の選手は自らのシュートミスがこの試合を引き分けた理由だということを受け止め、そして次の試合での活躍を期待したいですね。

また、監督が自らおっしゃっていたように、いい形で試合を進めていた段階で、疲れていたレオナルドに変えてそのポジションにそのまま清水を入れるのではなく、島嵜を入れて守り方を変えてきたあたりも策に走ったかなという感はありますね。でも、あのロングボールの処理を誤らなかったら、試合をしっかりと締めていたはずですので、監督采配について言及するのは結果論と言えば結果論のような気もします。

鳥栖の歴史としてはこれまで劣勢に立つ試合の方が多かったです。そんな中でも時おり見せる上位に勝っていく様からジャイアントキラーのありがたい名前を頂戴することもありました。サッカーは強い方が、支配した方が、個人技がある方が絶対に勝てるというわけではありません。熊本戦、そして草津戦と勝てなかったのはとても悔しいですが、長いシーズンの中では「この内容でどうして勝てたんだろうか」というような試合ももちろん出てきますからね。この試合が今後の戦いの糧となってくれれば勝ち点2がなくなったのも惜しくないですよね。

ひとつだけ気になるのは開幕から3試合無失点だったのですが、ここに来て形はどうあれ3試合連続で失点を喫しております。失点の悪い癖を止めるべく、ディフェンス陣には再び気合いを入れてもらって、ダービーでは再び博多の森のアウェー側に勝利の雄叫びを響かせたいですね。

 

アビスパ福岡 VS FC岐阜 (レベスタ)

2008年4月14日 20:44

2008-05 アビスパ福岡 VS FC岐阜

昨シーズン終了後、資金難でJリーグ参入が危ぶまれたようなチーム状況でありながらも的確に補強を行った結果、開幕してからは着実に勝ち点を積み上げているFC岐阜と、昇格という目的のために理想とするサッカー像を捨ててまで結果を求めてシーズンインしたものの、なかなか波に乗れないアビスパ福岡。両チームの対戦は意外な結果で幕を閉じました。

序盤はアビスパ福岡が持ち前の技術力を発揮してボールを支配しますが、試合全体の流れとしては実にスローペースでした。その根底にあるところは、岐阜が守備重視でありカウンターを狙いながらも一発のロングボールに終始することなく、ボールを失わない事に重きを置いた攻撃であったことが考えられます。支配していた福岡も、岐阜のスローペースにはまってしまってシュートチャンスを作り出す事はありませんでした。

岐阜の守備は非常にシンプルでありながらも徹底されていて、センターフォワードに対するマーキングと、ハーフに対するマーキング、そしてボールを供給するボランチに対するマーキング。これらを局面で相手の動きに合わせながら実に粘り強く受け渡しをしておりました。目立たないながらも、ボランチの菅と北村がダイアゴナルランで入ってくる中村と久永を自由にさせないようにしっかりとついて行っておりました。

ところが、そのマーキングにほころびができた時がまさに失点の場面でありまして、岐阜の守備組織としては北村が久永のマークを受け渡した瞬間に中村北斗を見なければならないのにも関わらずフリーマンとしてバイタルエリア浮いておりました。右サイドへ展開する前のフォワードのポストプレイのシーンは福岡のフォワード二人が左サイドに固まっていたので、センターバックはマーキングのためにそのサイドを固めます。そこで中盤の久永、中村が右サイドへ流れ、第三者の動きとして山形が上がってきました。この段階で右サイドのスペースにおいて数的優位を作る状況ができあがっております。それは、フォワードの選手が意図的か意図的ではないかはわかりませんが、センターバックの注意を左サイド引きつけるという使命を果たした上の結果です。

その右サイドへ流れ込む久永と山形の動きに岐阜のマーキングが一人ずつ遅れていきました。山形にも久永にもマークをつけようという意図は見られました。しかしながら、ダイレクトパスの連携でそのマークの受け渡しは不完全に終わりました。あえて言うならば久永を渡した後に中村を見逃した北村、もしくは中村が入ってくる所のスペース(シュートコース)を抑えに行くのが遅れた小峯の責任が少しだけ大きいと言ったところでしょうか。

このように、福岡の選手たちも個々の能力が高いのでそれぞれの思惑が一致した際の崩しというのは、非常に華麗で大胆な攻撃が実現します。タレイというパスにおけるアクセントを加える事ができる選手の加入も大きいです。しかしながら、それらはチームとして機能しているかというとまた別問題であることはこの試合、そして徳島戦の結果...いや、昨年からの指揮官の振る舞いを見ると言わずもがなという形でしょうか。

岐阜はこのような形で先制されたにも関わらず、攻め急ぐ事をよしとしませんでした。1点取られて前半から焦る事に何の効果も生まれないということを彼らは知っていたし、またその事をチーム全体として理解していたからだと思われます。これまでと同様にマークを外さず、ボール、人、それぞれの動きを見極めて時には全体がリトリートしてでも守り切る。そのような意図が伺えた前半でした。

後半になると状況が変わってきます。それまで機を見ての攻撃参加であったボランチと両サイドバックが積極的にボールサイドに絡むようになってきました。全体的な位置が高くなるので自然とボールを奪う位置も高くなります。そのスペースをついて福岡が追加点を上げていればこのような結果にはならなかったかもしれません。ただ、全体の位置を高くして攻防を挑んできた岐阜を受け流すチーム力、守備の時間帯という意識を持って全体的にリトリートするという展開の駆け引き力を福岡は持ち合わせていませんでした。

岐阜と福岡の違いをあげるとすれば、福岡は守備の時に(特にボールを持っている)サイドの選手について行ってしまうと、中央でフリーになっている選手のマークがおろそかになること。バイタルエリアで前を向いてボールを受けられる機会をあまりに多く作っておりました。片桐にボールが入る前、高木にボールが入る前、得点に至らなかったシーンでもボランチの選手や梅田が中央でフリーでボールを受けております。ラストパスの前の前の状態が前を向いてボールを一番良いところに捌ける状態にあるのです。パスコースを限定されて、しかたなくサイドに開いた(福岡からすれば追い込んだ)という形ではありません。

徳島戦の後に福岡の指揮官が問題は中盤の守備にあるという事を挙げておりました。筆者としてはこの指摘はまさにもっともな所だと考えます。というのも、福岡の最終ラインは山形、布部、長野、中島でありまして、お世辞にも守備に特化した人間が後ろで構えているとは思えません。どちらかというとサイドバックの攻撃参加がありきとなっている体系でありますし、筆者はこれまでも山形の守備力の不足(長野との連携の悪さ)を指摘しております。

だからこそ、中盤で如何にパスコースを制限することができるか、中盤で如何にボールを奪う事ができるかという中盤の守備力が大きく関わってきます。ところが、福岡はそのような状態であるにも関わらず、中盤にも攻撃的な選手を置いており、特にタレイは筆者が見るところでは決して守備力があるとは思えないボランチであり、久藤がカバーリングしているプレイでは補いきれない部分であると思います。

岐阜の4点目は顕著でありまして、岐阜から見た左サイドでボールを持つ選手に対して山形とタレイの二人がマークに行くものの、ボールを奪おうとするアクションを連携して行えずにやすやすとクロスを挙げられております。守備側が二人、特にサイドで動く範囲が限られている場面であったら、どちらかが奪い取るがごとくプレス(アタック)に行き、交わすところを狙って後ろで待ち構えている選手がボールを奪うという形を作らなければなりません。ところが、二人でまさにアリバイディフェンスがごとくずるずると引いて結果、梅田のヘディングゴールにつながりました。中央の吉田と中島の動きにも問題はあるでしょうが、数的有利な部分でクロスがあがるところを未然に防ぐ事ができれば何の問題にもなりませんでした。

また、高木の3点目のシーンですが、久藤が高木に抜かれてしまってゴールを奪われるのですが、岐阜はさらに左サイドにフリーの選手が構えているのです。久藤は左に展開された時を頭に入れながら目の前の対人守備をこなさなければならないという非常に不利な状況でありました。それぞれの失点シーンを見ても分かるように、基本的にペナルティエリア内やゴールライン近くにいる守備側の人間が少ないです。単純な理論ですが、守備側の人数が少ないとボールがこぼれた時にクリアができる可能性が減り、相手の目の前にボールがこぼれる可能性が高まります。

福岡のサイドバックは様々な役割を与えられておりまして、攻撃時にはサイドに開いてウインガーの動きを、守備の際には中央へしぼってストッパーの動きが求められていますが、守備に入ってしまうとこのように不安を露呈してしまいますね。対人守備に対する弱さ、クリアする場面でもミスというのがあまりにも顕著になってしまいました。

福岡のメンバーで守備専門と言われる人間は長野だけでしたね。久藤も元はトップ下や攻撃的サイドハーフの選手ですし、久永、タレイは言わずもがな、布部に至ってはフォワードもさせられている選手ですし、中村北斗もボランチや右サイドバックで起用されているものの、魅力は攻撃的な部分ですし。(高校時代はすっぽんマークと言われていましたが)でも、そう考えると長野もいまの指揮官ではフォワードとして起用されていましたね(笑)

筆者は、むしろ、中盤より上の選手たちが個人技に優れている選手が多いが故に、逆にロアッソ熊本のように矢野、河端、上村、福王とセンターバックが4人並ぶような体系であっても福岡の攻撃は機能するのではないかと思うわけです。少なくとも、指揮官が攻撃が好きなのであれば、センターバック二人は対人に強い強力なストッパータイプを置くことが必須だと思われます。宮本、柳楽、長野、中村、この4バックでタレイと久藤or布部or城後をボランチに置き、ハーフは田中、久永、中払、久藤の中で調子がいい選手を起用していく。そうすれば少しは守備の問題も解消されるのではないかと思います。宮本も中村も程よくオーバーラップできる選手ですしね。

また、筆者的には田中は常にスタメンで起用した方がいいと思いますけどね。失点を喫してから田中を入れたのですが、黒部、大久保、グリフィスと前線にたくさんの選手が入り混じりますので田中が生きるスペースが完全につぶれておりました。足元でつないだり、前線にロングボールを放る攻撃では田中の良さはまったく生きませんし。

福岡は指揮官も含め、チーム全体として失点の結果を精神論のみならずチーム全体のバランスを見るべきではないのかなと思うのですけどね。

さて、話は長くなりましたが簡単に岐阜の話題を。片山は上背もあってボールもキープできるし、カウンター攻撃においてトップにはってもらうには適した人材ですね。その周りを個人技がある片桐と高木がいい形でフォローできていると思います。特に、片桐は開幕の甲府戦でアシストを見せたように溜めてパスを出せる選手ですので高木や梅田などの中盤の選手もスペースに飛び込みやすいですね。

ボランチの二人は目立たないながらも与えられた役割をこなすがごとくハードワークしておりました。後半からはどちらかが1列前に前進して(福岡のマークが甘いためにフリーで前を向いたからかもしれませんが)左右にボールを散らす仕事も担っておりました。

センターバックの川島と小峯は...実は不安な点も多く(笑)
でもこの不安な点は、ボールを持った際の足元の弱さですから、マンマークや対人といった守備的要素がおろそかになっていたわけではありません。最終局面では体も張っていたし、振り切られることなく粘りの守備を見せておりましたね。

守備ではそつなくこなしていたものの、攻撃面でちょっとだけ不満だったのがサイドバックの吉村と那須。吉村は相変わらずクロスの精度がなかったですね。彼がオーバーラップしてもっと効果的なクロスを挙げる事ができれば得点につながっていただろうに、いいタイミングで飛び出しているだけにもったいないなと感じました。那須はちょっとボールを持ちすぎ。コースを探しているのかもしれませんが、味方全体の流れとは違うエリアに持っていきますのでもっとシンプルにさばけばと思いました。彼がサイドでキープする事が岐阜の攻撃に生かされていませんでしたよね。やはり、岐阜のサッカーとしては空いている前線の選手に対してシンプルにボールを供給することが求められると思います。1点目の片桐へのパスはまさにゴールに直結するシンプルでいいプレイでした。


 

サガン鳥栖:期間限定ドリームパスポート発売

2008年4月10日 18:44

サガン鳥栖がドリームパスポートの販売のテコ入れとして、パートナーチケット付ドリームパスポートの発売を発表しました。ドリームパスポートを買うと、同じ席種の観戦チケットがプレゼントされるらしいです。どうやら、昨年の売り上げにあとわずかにせまっておりまして、是非ともシーズン初期のうちに発売枚数を昨年より上回りたいという意図のようです。

ところで、少しだけ疑問に思ったのが、購入時期が後の方になればなるほど、もらえるチケットの枚数が増えるのはなぜかということです。私が購入者ならば、後の方に買ったらチケットがより多くもらえるならば、後の方で買った方が得するような気がしますけど。。。

...ってよく考えたら、シーズンチケットを買わなかったら、試合を見るためには自分でチケットを購入しなければならないので、結果的には後の方でドリームパスポートを買ったとしても自分で買った分が返ってくるというだけなんですね。

...という結論で終わらそうとしたら注意書きが

進呈枚数は、ご購入時点での、終了ホームゲーム数の半分数に相当します。
【例】4月26日(土)までにご購入...終了ホームゲーム数:4試合⇒2枚進呈

だからその半分っていう理由が意味わからんっちゅうの(笑)

とにもかくにも、年間チケットを買おうかと迷われていた方がいらっしゃったら、この機会に是非とも購入をご検討してみてください。

ダービーの価値とは

2008年4月 9日 09:49

もうひとつのBlogの方で、ロアッソ熊本との試合前にエントリーした内容です。

なんとなく、こちらの方にも掲載しようと思いましたので誤字脱字等々ちょっと手直しして貼っておきます。

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ダービーに関して、このような記事を見つけたのでご紹介しておく。

世界で最も大きいダービー:イスタンブールダービーの影

サッカーはスポーツであり、戦争ではないと書いたエントリーと実に関連深い記事であった。

記事の中の文章を引用する。

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両チームは97年前の1909年1月17日に初めて試合を行い、2-0でガラタサライが勝利している。当初は、"エリート校のガラタサライ"に対して、"市民のフェネルバフチェ"といったわずかな階級差はあったが、現在のような激しいライバル関係はなかった。むしろ良い競争相手という感じで、両チームの関係は良好なものだった。
 ライバル意識が激しくなったのは近年になってからだという。現在も熱く応援する年老いたベテランサッカーファンに当時のことを聞くと、「あのころは、敵チームのサポーターでも隣同士の席に座って、それぞれのクラブを応援していたよ。もちろん、今と変わらないくらい盛り上がった。ライバルには負けたくないから、必死に応援した。だけど、"戦争だ"なんて一切思わなかった。とても素晴らしい雰囲気がスタジアムにはあった」と昔を懐かしそうに振り返る。
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100年もの歴史を誇るチーム同士での戦いでも...いや、そういった歴史のある戦いだからこそ、その時代の社会背景も通じて様々な戦いが繰り広げられているのであろう。老人が懐かしむ雰囲気のスタジアムをベアスタでも是非とも実践したいと思う。

それにしても、ダービーの価値とは一体なんであろうか。今シーズン、「2008九州ダービー」と銘打って九州からサッカーを盛り上げようとするイベントが告知された。

コンセプトはこんな感じ

で、実際に明後日のイベントはこんな感じ

確かに利益を確保しなければならないのではあろうが、どうもダービーという言葉が営業戦略的に使われている気がしてならない。盛り上げるためにスタンプラリーは必要なのだろうか、盛り上げるために「Kyushu Derby」と記載されているマフラーは必要なのだろうか。

前述にリンクした記事には、

"こうした両チームの関係悪化をあおる象徴的な事象として、クラブの大きな収入源となっているサポーターグッズが挙げられる。"

という文言もある。もちろん、今回発売されるグッズが相手を威嚇して煽るような代物ではないので考えすぎなのかもしれないが、営業的戦略が強すぎるダービーというのもいかがなものか。自然に、あのチームだけには負けたくないという気持ちが巻き起こるような関係が築かれてこそのダービーではないのか。

筆者の中で、熊本との対戦において、作られたダービーという意識でいまいち盛り上がれない気持ちがあることだけは確かなのである。もちろん、負けるわけにはいかないチームということは確かなのではあるが。

 

愛媛VS鳥栖 : 徳島VS福岡(テレビ観戦)

2008年4月 7日 13:18

くしくも四国VS九州という形になってしまった今節のJ2リーグ。九州のチームの結果は1勝1敗ではありましたが、結果以上に内容が大きく物をいう試合だったように思えます。

まずは鳥栖。90分の試合の中では、良い時間帯と悪い時間帯というのはかならず現れます。今期の鳥栖の場合は、その良い時間帯というのが試合の開始から前半部分に生まれる事が多いですね。それは、前線からのプレッシャーの鋭さと選手それぞれのポジションチェンジが体力のあるうちに次々と生まれるからですよね。

ただ、体力がなくなったときにカバーリングやポジションチェンジについてどう考えるか。試合の中で、自らのポジションを守り、我慢してゾーンの守備を確立しなければならない時はやってきます。そのようなコントロールをする選手が試合の中で必要ですよね。また、全員が意識を統一しなければならないと思います。

もうひとつ、このように激しいプレッシャーと小気味よいポジションチェンジ、細かいつなぎのプレイスタイルですので、選手交代のタイミングとその変わった出てきた選手がチームの戦い方に大きく影響を及ぼします。変えなければならない状態の選手をいち早く見抜いた的確なベンチワークが必要ですね。鳥栖の場合は、良い展開を更によくするというよりは、悪い展開を良い展開へと押し戻す交代の方が重要ですよね。得点力を持って強引にものにする試合はできませんので、我慢しながら如何に攻撃のチャンスを見つける事ができるか。

そういう意味では、パクチョンヘを守備的要員として交替でいれたのは、非常にいいテストになったと思います。彼のプレイの把握もできますし、彼自体の経験にもなる。もちろん、岸野監督の選択肢として幅が広がればベストなのですが、果たして監督の満足できるプレイができたかどうか。また、藤田の復帰はチーム全体としても大きいですし、この試合の選手交代は非常に意義があったと思います。

選手で目立ったのは、やはり谷口ですかね。ゴールも素晴らしかったのですが、それ以上に谷口はシュートにつながるパスを出すプレイができるという部分が今後の活躍のポイントになると思います。ストライカータイプではなく、ゲームを造り上げる事ができる前線という事ですね。セットプレイのこぼれ球からの柴小屋へのクロスもよかったですし、右サイドでキープしての高地へのパスも見事でした。体躯があるのでじっくりキープしてパスコースを探しながらでもボールを失わないプレイができればチーム全体のタメともなりますしね。その間に中盤の選手が追い越してきた時にいいパスをだせばビッグチャンスになります。また、鳥栖にはそういった追い越してくる中盤の選手が何人もいますからね。谷口の追加点のアシストをしたのは猛然とスペースに走りこんだ日高でしたし。

後半の内容や決定機の数の割には得点が少ないという事など、多々問題点はあるでしょうが、セットプレイでの得点も生まれましたし、ともかく勝ち点3をとれた事が大収穫でした。

さて、福岡の方ですが、点の取られ方に非常に問題がある印象を受けました。コーナーキックによる1点目、サイドからのクロスにあわされた2点目、そしてドリブルによる中央突破を受けた3点目。それぞれ異なる形での得点の取られ方であり、状況に応じた対応ができていなかったですね。

1点目は、コーナーキックを蹴る前から西河に対して誰もマークがついていませんでした。あの位置にフリーに飛び込まれてしまうと、キーパーとしては非常につらいものがありますね。それにしても打点の高い、素晴らしいヘディングでした。西河はグリフィスの得点の際に、躊躇してボールにつめることができない事が失点につながったので無事取り返すことができてよかったですね。

2点目は、中央のドゥンビアを気にして、二人がかりで競ったものの、ボールを飛び越してしまって片岡に自由にクロスをあげられました。更に、中央に人はそろっているものの2列目から猛然とあがってきた玉乃をフリーにしてしまってました。サイドバックの中島がついていけてませんでしたね。中央に詰めた徳島と福岡のディフェンスの人数を考えると、対応に問題があったと考えざるをえないですね。

3点目は、ドゥンビアがサイドでボールを受けて中央へとドリブル突破してのミドルシュートでした。間違いなく、長野と山形のコンビネーションの悪さが問題ですね。長野は中央へしぼろうとしていたのですが、後ろから入ってきた山形も中央へしぼろうとしたので、長野がサイドのスペースも気にしなければならなかった。あのシーンで、山形は中央へしぼるのを長野にまかせて自分はドゥンビアがサイドのスペースに来た場合のケアを考える動きをしていれば、長野も中央へ行かれないことに力を注げばよかったので、少しは対応しやすかったと思います。先日の失点の時も「特に山形は何故長野と動きが重なってしまったのかが気になる所。」という戦評を書いたのですが、また同じ印象を持ってしまいました。

結果的に3失点をしてしまったわけなのですが、山形と中村北斗の使い方(中払や田中、城後という中盤の選手を控えに回してでも起用するほどのプレイヤーなのか)、また、ルダン、長野とスピードへの対処が不安な選手をセンターバックに据えたという点も采配面という意味で気になります。指揮官は失点の原因を中盤でのプレス不足という見解でしたが、果たして。

福岡の指揮官はシーズンに入る前にJ1へ昇格するという結果が必須であるプロジェクトに対し、その実現手段のひとつとして守備を重視するという方針を打ち出したのですが、実現手段を具体的なプランとして実施する術がいまのところ見えてきません。昨年と同じ過ちを繰り返してしまったらチームも見切りをつける可能性もあると思います。

攻め方としては、長いボールが多くなるとタレイ、久藤といったプレーヤーがじっくりと攻撃できなくなるので、そういったところがもったいなかったですね。大久保がはいっているので、長いボールをだしてもなんとか形になりますからね。でもその場合だとグリフィス中心ではなく、グリフィスが大久保を気にしながらのプレイをしないと形にならないので、いい事もあり、悪い事もありという感じでしょうか。実際、先制点は大久保が競ったこぼれ球をグリフィスがうまくつめたものでしたしね。

全体的には徳島の運動量が豊富でいいサッカーをしていましたね。福岡の攻撃が大久保中心になるので後ろを固めておいたことで、それがディフェンスラインの背後のスペースをなくすことにつながってグリフィスの動きを制限することにもなっていました。多少、サイドにスペースを作っていたのが気になりましたが、なんとか事なきを得ていましたね。攻撃面ではドゥンビアまかせだけの攻撃ではなく、ドゥンビアのフォローにはいる人間がいるからこそ、2点目のような得点も生まれております。前線がボールを持った時の攻撃のスイッチの入れ方が実におもしろかったです。ドゥンビアという武器を手に入れたので、さほど攻撃に人数をかけなくても素早い攻撃が形にできているという事で、その分守備に人数をかけられる事が相乗効果も生んでいますね。まだ、徳島はパスの精度やマークの付き方などに荒さが見られますが、要注意なチームであることは確かですね。

 

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