サガン鳥栖 VS ロアッソ熊本 (ベアスタ)

2008年3月31日 13:20

2008-04 サガン鳥栖 VS ロアッソ熊本

強い雨と吹きつける強風という生憎のコンディションとなってしまった今年初のロアッソとの戦い。試合が終わってから冷静に振り返ってみると、試合をコントロールしていたのは鳥栖のように見えて、実は熊本の方だったのかもしれません。

序盤は鳥栖の出足が鋭く、熊本のディフェンスラインに対してまでも厳しくフォアチェックに行く積極的なディフェンスで主導権を握っておりました。ボールの奪いどころとしては喜名と小森田のボランチのところで奪えていたのが良かった所でありまして、ここで奪う事ができていたので、相手にフォワードまで繋がれることなく、また、こちらもいいところから攻撃を開始することができてリズムもよかったと思います。ただ、風下に立ってしまうと、熊本の攻撃をもろに受けていました。前半、あれだけ機能しなかった小森田と喜名がボールをだす拠点になって機能していたことを考えると、前半のうちに1点しかとれなかったのが最後まで利いたような気がします。

このように、前半は風上に立っていたこともあり、細かいつなぎにフリーランニングの選手も連動して小気味よくつなげていたとは思います。しかしながら、決定的なチャンスを作り出すことができなかったのは、熊本の統率が取れたディフェンスラインと集中力。筆者的には、この試合のマンオブザマッチは河端じゃないかと思うくらい、彼が非常に聞いていました。上村が競り合いに行ったカバーを彼がこなすことによって鳥栖のチャンスの芽を随分とつぶしていたと思います。クロスがあがっても、熊本のディフェンスラインはいわば4人のセンターバックのような人選であったのでかなりの確率ではじき返されていました。

ディフェンスラインと言えば、熊本はよく研究していると感じたのは、オーバーラップする日高と高地のスペースをつこうとの考えがあったのかフォワードの中山と高橋がよく両サイドへと開いていました。通常はフォワード同士は近くにいてふたりで崩すことが基本なのですが、互いに両サイドへ開いてボールを待っていたのは、どちらかのスペースの隙をつこうという考えだったのかなと。鳥栖の戦い方に合わせる動きをやられていましたね。

もうひとつ、熊本が鳥栖を研究しているなと思ったのは、清水がボールを持った時には、オフサイドトラップを狙って非常に高いラインを敷いてパスをださせない動きをしておりました。彼は長い距離のパスを通して決定的な仕事を行う事ができる選手ではありません。小刻みに繋いでフリーの選手へショートパスを送るという的確なプレイの方が得意な選手です。ですので、サイドでボールを受け、裏のスペースがある場合に狙いたくても、一瞬躊躇してしまっていましたね。

ただ、谷口もキムもラインを意識して飛び出しのタイミングを計っていましたし、逆サイドに通るくらいの勢いでもいいですので思い切ったパスを素早く出して欲しいところでした。躊躇してしまう事によって守備の人数がそろい、段々とアドバンテージがなくなっていきましたね。

熊本のこの高いディフェンスラインは、本来は一度でも破ることができたら得点に繋ぐ事ができる諸刃の剣であるはずです。恐れずに繰り返し裏のスペースを狙う事によって相手のディフェンスラインもほころびがでてきます。今日の清水にはチャンスを確実に生かそうとするあまり、ボールを失う事を恐れてしまっていましたね。

清水とは逆に軽率なプレイが目立ったのが高地、義希、衛藤といった攻撃のタクトを振るう面々。特に同点に追いつかれてからは何を焦っているのか、パスミスとポジションミスが非常に多くなりましたね。というのも、後半に入ってからは、フリーランニングで自由に動く事が返って仇となってしまって、中盤に大きなスペースを作ってしまっていました。衛藤、義希が高い位置を保って攻撃に参加することによってシュートで終わればいいのですが、ボールを奪われてしまうとカウンターの機会を作ってしまいます。前半は運動量もあるので中盤も組織が崩れることなく保っていたのですが、後半になると中盤の組織がやや崩れていたように感じました。一発でダイレクトでつなごうとするあまりに、悪い意味であまりに"簡単"にプレイする姿も多く見られましたし、単純なパスミスも見られました。

野崎は目立たなかったかもしれませんが、自由に動く高地のカバーに奔走していて、目立つ機会を与えられなかったと言った方がいいかもしれませんね。本来は野崎の突破ができるような状態にしてあげたかったのですがね。チーム事情と天候がそのようにさせてもらえなかったですね。

中盤の底を支える義希と衛藤の動きは今後の戦いの上でも核となるものです。得点に結びついてはいませんが、互いに隙を見てフォワードを追い越す勢いで前線に顔を出して行くのは、相手を崩す上では必須となるプレイだと思います。だからこそ、崩したときのシュートへのイメージと、彼らの動きを把握してカバーリングする清水と野崎の位置の選手が重要となりますね。無論、サイドの彼らが単独で突破したり、決定的なパスを出したりできるならば前線4人で攻撃が成立するのですが、そういった力がないので攻撃は今後も全員で作り上げなければならないと思います。

フォワードでは、前回のテレビ観戦でも述べたのですが、キムシンヨンがフィットしていないのが気になります。チームのメンバーが欲しい位置、欲しいボールの質に対する要求にこたえられていません。藤田が戻ればその辺りの負担がなくなってよりストライカー的な仕事をこなせるのかもしれませんが。。。キムが得点を取ったのはロングボールに対する彼のがんばりと、個人の身体能力で奪った得点です。決して熊本を崩してとった得点ではありません。そう考えると、鳥栖の得点力の低さはちょっと気になりますね。

そういえば、鳥栖は、ミドルシュートが少なかったように思えました。雨の日の鉄則である、積極的にミドルシュートを放ち、キーパーのファンブルを狙うという意図はあまり見えませんでしたね。逆にロアッソは後半に入ると、小森田、喜名と強いミドルシュートを狙い、赤星のファンブルにあわや中山のゴールというシーンがありました。

今回は、自分たちのサッカーをしようとすることが、返って天候とのミスマッチになってしまった感があります。雨によるボールの判断ミスは前半30分くらいまでには修正をしてほしかった所。強風や雨に悩まされていたかもしれませんが、せめて後半開始くらいまでにはボールの質と流れ方、はね方などを体に埋め込んでほしかったですね。そうなればパスミスもなく爽快な攻撃を繰り広げていたかもしれません。

最後になりますが、前半の終了間際、鳥栖のゴール前で熊本の選手がファールを犯してプレイが止まりました。確かに、赤星がそのまますぐに蹴っていればカウンターのチャンスになっていたかもしれませんが、1点リードしている状況、そしてボールが収まらずにに熊本のペースだった事を考えると、岸野監督の早いスタートをという指示を制してまで、ゆっくりとリスタートした赤星の冷静さの方を推したいと思います。

今回の攻め急ぎとパスミスは、選手のみではなく、チーム全体が作り出したものだったのかもしれませんね。

 

初物に弱いサガン鳥栖?!

2008年3月28日 10:24

筆者の感覚では、Jリーグに参入したチームとの初対戦はなぜか分が悪いイメージがあるのです。今回対戦する熊本も参入してきて初対戦の相手。最初にがつん!とやっつける事によって、その後の戦いを心理的に優位に持ってきたいところ。熊本の選手やサポーターから「鳥栖は意外と強くなかった」なんてイメージを持たれることだけは避けないといけないのです。

...というところで、感覚的に分がよくないと思っている参入直後の相手との初対戦を列記してみました。

2000 水戸(Away) 0-1 負け 

2001 横FC(Home) 0-1 負け 

2005 徳島(Away) 2-2 分け 

2005 草津(Away) 2-0 勝ち 

2006 愛媛(Home) 4-1 勝ち 

2勝2敗1分けですか。事実上、下のリーグから上がってきた当初のチームとの対戦の割には五分五分の戦いを演じております。これらのチームが参入後即上位に進出したわけでもありませんので、分がいいとは決して言えないですよね。

頭の中で「勝って当然」のような油断を持っているからこそこう言った感覚に陥るのでしょうか。しかしながら、今回の熊本も筆者的には「勝って当然」のイメージを持っております。それは、油断でも隙でもなく、昇格を目指そうかというチームであれば、下位(と目されている)チームに対してしっかりと勝ち点3を取ることが必須事項となるからです。また、曲がりなりにも(チームの経営戦略としてであっても)ダービーという名前がつけられている対戦相手にだけは負けるわけにはいかない!!!

日曜日は勝利以外の結果は望んでおりません。完膚なきまでに叩きつけるくらいの勢いで勝利を目指して欲しい所です。

 

J2感想(第4節)

2008年3月27日 09:32

甲府 VS 福岡
甲府も福岡も点の取られ方やチャンスの作られ方が非常によくない印象を受けました。ゴール前であるにも関わらずフリーの選手をつかまえきれていない事が多く。守備において個人での対応がうまくいくという前提があるような気がしました。個人が突破を許したときのリスクマネジメントできていないなということですね。
ところで、福岡の開始直後の失点は前の節からスタメンが変わって出た山形と吉田のパフォーマンスの悪さから生まれましたね。特に山形は何故長野と動きが重なってしまったのかが気になる所。

熊本 VS 湘南
湘南は石原の追加点が石原らしくていいなと思いました。彼は派手さはなくとも、足元の技術が正確で1VS1のチャンスを作り出したときの決定力が高いですね。

熊本はどうでしょう、点を取られはしましたが、アジエルがゴールポストにあてたシーンを見ても別段マークははずしていないし、ドリブルへの対処が一歩遅れただけでなかなかどうして思ったよりも守備が整備されているような気がします。先制点は飛び出したキーパーとクリア損ねたディフェンスのダブルのミスがもたらしたものですし、石原の追加点は左サイドの選手がちょっと怠慢だったかな。守備組織を作っても個人の対応のミスが失点に結びついてる感じです。選手層が厚いわけではないので、簡単に選手を入れ替えるわけにはいきませんから、でている選手たちがベストエフォートすることが結果につながっていくでしょうね。

C大阪 VS 仙台
アレー、ジェルマーノ、どちらも素晴らしいミドルシュートでした。セレッソは鳥栖戦よりも前線の動きがよかったんですかね。香川のシュートのシーンは彼のドリブルのスペースを作るべく前線がダイアゴナルランで撹乱していたのが印象的でした。仙台はチャンスはあったみたいですが、ゴールが決まらず不運だったという所でしょうか。

愛媛 VS 草津
決勝点は氏原がヘッドで競り勝ち、鳥栖戦にて好セーブを演じた"キーパー王子"高田がチャンスメイクをし、こぼれ球を再び氏原が押し込みました。氏原は結果が出てよかったですね。これから調子が上がってくるかな。

岐阜 VS 徳島
梅田らしい思い切りのよいシュートでした。大分ではただでさえ途中出場が多かったのに、鈴木慎吾の加入以来、更に出番が減少していたので岐阜に来てよかったんじゃないですかね。ここ2戦もフル出場ですし。ポパイのテーマ曲に乗った応援歌が思い出されます。林はスタメンをはずされましたね。徳島は結果もさることながら得点も取れていませんね。厳しいスタートになりました。

広島 VS 水戸
水戸は惜しかった!後半ロスタイムに決める所は広島も役者だなと思いました。広島がぶっちぎりと思っていたのですが、例年通り終盤に苦しむようになるのですかね~。別の意味で今シーズンの終盤が楽しみです。

 

ロアッソの高橋が鼻骨骨折

2008年3月26日 10:00

以下、ロアッソ公式サイトより引用
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3月23日(日)JリーグDIVISION2 第4節(湘南ベルマーレ戦)の試合中に負傷しました高橋 泰選手は、下記の通り診断されましたので、お知らせ致します。

検査結果:鼻骨骨折
加療期間:4週間程度を要する見込み
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これは...ロアッソにとっては大きな痛手でしょうね。もしかしたら、試合にでてこれるかもしれませんが、フェイスガードをしてのプレーとなりいつもどおりのプレーができるかどうか。ロアッソは中山と高橋のツートップが機能していい攻撃をしておりましたが、いかんせん、彼らと山内や北川、小林らの他のフォワードとの差がありまして高橋がでられないとなると戦力ダウンは否めないですね。

 

横浜FC VS サガン鳥栖 (テレビ観戦)

2008年3月24日 13:52

この早い時期で、この表現が適切であるかはともかくとして、無敗の上位同士の対戦となりました。守備に堅いチーム同士の対戦というのもあってか、互いに決定的シーンを多くは作ることができずにスコアレスドローに終わりました。

試合開始直後は鳥栖の出足がよく、前線からの早いチェックでボールを奪った後は、次々とフリーの選手を作り出すランニングもあり優位に試合を進めていきました。ところが、中盤での優位性とは裏腹に最終の局面ではシュートチャンスを作り出すことができず。いいクロスも上がっていたと思いますし、ミドルシュートのチャンスもあったと思います。最終的には横浜FCのディフェンス陣が高さもあってぎりぎりでシュートを打たせなかったというところでしょうか。

ひとつだけ、テレビなので何ともいえないのですが、、全体の中の動きとして、キムシンヨンがまだフィットしていないかなという印象は受けましたね。気合が空回りしてイエローカード(不可解と言えば不可解ですが)をもらったりもしていましたし。

贅沢を言わせてもらえば、攻撃の中でもう一つ欲しいなと思ったのは、中央から縦に抜けるスルーパスでしょうかね。相手のディフェンスの裏をとる動きがサイドの方に偏っていたので、中央に2列目、3列目の選手が飛び出してそこにボールがでると直接チャンスになっていたかもしれません。

しかしながら、開幕早々からあまり多くを望むと攻撃のパターンも確立されず、選手たちがどこに動いたらよいのかが分からなくなるので、今は一つのパターンを確立するべく、ショートパスを繰り返して隙を伺ういまの攻撃を続けていって欲しいですね。

また、守備に関しては中盤の守備が組織的でよかったのではないでしょうか。相手がサイドでボールを受けたとき、鳥栖側はサイドバックがマークについていました。その際に中盤のハーフとボランチの選手が平行に構えて相手が中央へと進出(中央へパス)してくるのに備えてしっかりとラインを形成していました。パスが出るとそのまま平行にマークも移行していましたし。このブロックがあるためにサイドバックの選手は縦をケアすれば簡単に抜かれることもなく、決定的ピンチを簡単に迎えることもなく非常に効いていたと思います。横浜の選手にワンツーを狙おうとする動きが少なかったのもありますしたけどね。

鳥栖は試合も終盤になると体力的な問題もあってなかなか思うような動きがとれていませんでした。そのあたりのバランスというか、試合全般を通じたプランニングがこれから戦いを経ていく上で更に確立されていくのかなとは思います。選手交代を用いた戦い方も含めてですね。

この試合も含めて、開幕から3試合連続で無失点となりました。失点をしない事は負けないということです。試合数も多いリーグなので、負け試合を引き分けにすることが貴重な勝ち点1を得ることになります。このまま、守備が安定した戦いを続けていってくると藤田が戻ってきたときに大きく期待できますね。いまは変な負け方をしないように、アウェーでは無理に勝負せずにスコアレスドローで終わったのはそれはそれでよかったと思います。

次節はホームで熊本との対戦です。今後の戦いにおいて心理的に優位に進めるためにも初対戦でしっかりと勝ちを収めておきたいところですね。

 

 

 

サガン鳥栖 VS セレッソ大阪 (ベアスタ)

2008年3月21日 00:09

2008-03 サガン鳥栖 VS セレッソ大阪

強風が吹きつける中で難しい戦いになるとは思っていましたが、ピッチレベルでは風が上空ほどではなかったのか、風に苦しめられるシーンは思ったよりもありませんでした。

セレッソは香川やジェルマーノもスタメンに復帰し、(濱田がベンチにも入っていなかったのは残念でしたが)控えメンバーを見てもほぼベストメンバーがそろった形。

鳥栖はフォワードの大黒柱である藤田もシンヨンも試合に出場できないという苦しいスタメンだったのですが、ふたを開けてみるとそれが苦しいということをまったく感じさせない谷口と山城の活躍ぶりでした。

特に、谷口は昨年とは比べるべくもないフィジカルの強さを誇り、J2でも屈指のセンターバックである前田、羽田といった面々を相手にしても臆することなくポストプレイヤーとして体を張って頑張っていました。ディフェンスを背負ってボールを受け、ターンのみでおきざりにして狭い角度ながらもシュートを狙ったシーンは大器の片鱗を垣間見ました。

圧巻だったのは先制点のミドルシュート。体を張ってボールを競りに行くプレーがあったからこそ、あのシュートチャンスを自らで作り、そして思い切りよく振りぬけた右足がサイドネットを揺らしました。

高校生のとき、アミーゴスでエースストライカーとして君臨していたときは、味方をも寄せ付けないほどの存在感と、遠い位置からでも狙ってくる思い切ったシュート。サガンユースを応援する立場としては非常に憎い存在だった彼がここまで成長してくれたのはホントうれしい限りです。

彼に一つだけ課題を課すならば、味方がフリーでドリブルを始めた時の動き方。ボールを受けに来るのもいいですが、ドリブルする選手のためにディフェンスを引き連れて離れていく動き、もしくはスペースを見つけ、飛び出してパスを引き出す動き、そのあたりの動き方とどのプレイを選択するかの判断力がまだまだ物足りないところでした。衛。藤が相手のボランチを越えたところでフリーでドリブルをはじめたシーンがありましたが、互いに進行方向がかぶってしまったような事もありましたしね。

もちろん、足元でもらったり、ヘディングを競るのは体躯を生かしていいプレイをこなしていました。また、今日は守備面でも前線でのプレスも頑張っていました。体力面もかなり伸びてきてますよね。試合に慣れてくるともっともっといいプレイができるのではないかと思っています。

山城は試合開始当初はパスが味方と合わない部分があり、気合が空回りして試合の中でチームに馴染んでいなかったのですが、むしろパスを考えるというよりはフリーでボールを受けて一人でシュートまで持って行く形を多く作る方がいいプレイできていましたね。運動量も豊富で守備にも奔走していましたし、谷口と山城の前線の守備がチーム全体に好影響を与えていましたね。

さて、この試合における鳥栖とC大阪の違いと言えば、パスの回し方に尽きるのではないかと考えます。セレッソの選手はそれぞれが足元の技術に長けていてボールを保持することができます。それがタメとなって味方を引き出す力となる時はいいのですが、今日に限ってはボールの流れをせき止めている方が多かったのではないかと感じます。

パスというのは、一人の選手のところに留まっている時間が短いほど相手にボールを奪う時間、つまり守備の機会を作られる事を逃れられます。ワンツーリターンがその一番の例なのですが、セレッソはゴールに直結する部分でのそういった早めにボールを動かすというアイデアが希薄でしたね。もちろん、パスはボールの受け手の問題でもありますので一概にボール保持者に関してのみの責任ではないのですけどね。

このように、セレッソはどうしてもボールを持ってしまって守備の時間をつくってしまっていました。だから鳥栖がシュートブロックできる時間がありましたし、シュートを放っても角度の浅いところややや遠い位置であったりもしました。対する鳥栖もこれといった決定的チャンスは多くはなかったのですけどね。ただ、シュートにいたるまでの中盤の作り方とゴール前までの持って行き方に関しては鳥栖の方が選手個人の技術に頼らない力でテンポよく構成できていたと思います。

柿谷はビハインドの場面で出てきたのですが、試合に入って早々に2本のシュートを放ちました。個人で打開したシーンもありますし、サイドに隠れていてさらっとシュートを狙ったプレーもありました。飄々としていながらも一瞬の鋭さを見せるのはポテンシャルの高さを伺えますね。ボールが奪えずに思わず鳥栖の選手に厳しく奪いに行ってしまったシーンはご愛嬌なのでしょうが(苦笑)

鳥栖の守備に関してですが、何度か、ディフェンスラインのみを残して中央で相手をフリーにしてドリブルを許すシーンがありました。そこはディフェンスラインが無理につっこまずにリトリートして相手のミスを待つ動きで何とか事なきを得ましたが、ボランチが抜かれてフリーでのドリブルを許すのは失点の危険性が高い場面でもあります。香川がそういった場面を迎えた場合は開いた選手にボールを出してくれて助かりましたが、ディフェンスラインとしてはずるずると下がっていたので中央から勝負をしかけられたら怖かったですね。

後半に先制点をあげてから交代で入ってきた下地と島嵜の二人も試合を締める役として十分に力を発揮してくれました。特に島嵜は1点リードでアンカーという役割を与えられて、非常に難しい仕事でしたが何とかこなしてくれました。この試合では前述のフォワードの二人とこの新人の二人の働きはチームの底上げという意味ではすごく大きかったと思います。

また、義希が前線に入ったり、ワントップで4-5-1のラインを作ったり、最後は谷口がディフェンスラインに入ってマンマークしたりと時間帯に応じたポジションの変更も違和感なく進められました。終盤はこれまでにはないくらいの試合巧者ぶりを見せてくれましたね。

開幕2連勝は願ってもいない好スタートとなりました。しかしながら喜ぶ間もなく中2日で横浜FCとの戦いが控えております。昇格争いでは必ずライバルとなるであろうチームですのでアウェーの地でも臆することなく勝利を目指して頑張って欲しいと思います。


 

Jリーグザッピング(2008/03/15開催分)

2008年3月18日 09:45

ざっと流して試合を見た感想です。

大分 VS 柏
ウェズレイは去年の終盤よりは体のキレがありますね。たぶん新しいチームでモチベーションも上がっているのでしょう。シュート以外での仕事はハードに動くわけでもなく、典型的なストライカーという感じなのですが、ゴールを奪うシーンはやはり流石ですね。思い切りの良さがキック力と相まって素晴らしいゴールでした。ツートップのコンビがポストをこなせてつぶれてくれる高松と組むのがいいのかもしれません。ホベルトは殊勝なる出来。サッカーを知っている、コントロールできる選手が中盤の底に控えると非常に心強いですね。

浦和 VS 名古屋
ピクシーのガッツポーズにしびれましたw
浦和は、チームのモチベーションというか、以前からのエントリーでも書いていますが、監督の仕事は選手たちが試合に対して集中して戦える環境作りをするもの大事な仕事です。メンタルコントロールができていないのが致命的でした。試合に対して集中しているのでしょうが、都築のミスのような事が起きるのは悪循環の賜物でしょうね。
名古屋はサイドアタックと言っていますが、これはヨンセンというクロスに強いストライカーがいるからこそ成り立つものであると感じます。ヨンセンが怪我や出場停止の時にどのような攻撃ができるかがカギだと思います。そういう意味では玉田のコンディションがよさそうなので彼をもっとうまく使える攻撃ができると厚みがでていいですよね。

熊本 VS 草津
高橋にあっぱれを上げよう!!...って感じでした。
1点目のパスを出したのは福王でしたかね?あのパスも見事でしたし、冷静に流し込んだシュートもお見事。
圧巻は2点目のヘッド。首をひねって狙い澄ましてサイドネットへゴールを決めました。決してまぐれではない、狙いすましたシュートが熊本の初勝利をたぐりよせましたね。
高橋の良さが際立つのも、中山の補強が大きいと思います。去年から言っておりましたように、つぶれてくれる相方が欲しかったのですが、彼がボールを受ける事によって比較的自由に高橋が動けるようになりました。中山は惜しいシュートチャンスもありましたし、早く1点を挙げてほしいですね。そうなれば楽になってもっといいプレイができるでしょう。

もう一人、手繰り寄せたのはキーパーの吉田。とてもルーキーとは思えないポジショニングの良さで草津の攻撃を防ぎました。それにしても、氏原は決めておかなければならないシュートを惜しくもはずしておりました。彼のここ数年の決定力は全盛期に比べると少し陰りが見えますね。

また、車はよくハードワークのできる選手ですね。2点目のクロスもスルーパスに対していい走りを見せてダイレクトであげました。派手さはありませんが、そつなく堅実にプレイできる選手ですね。こういう選手がチームにフィッティングしてくるとぶれのない戦いの基盤になりえると思います。

札幌 VS 横浜FM
博多で飲み会があったために、後半40分前くらいまで見たのですが、家をでた瞬間に横浜FMが逆転してました(笑)
札幌は惜しかったですね。圧倒されているわけではない気がしましたが、攻撃の手立てが薄かったのも確か。そんななか、3人で得点を取りましたからね。J2だったら守り切っていたでしょうが、J1はなかなかそうは簡単にさせてくれませんよね。

 

アビスパ福岡 VS 水戸ホーリーホック(レベスタ)

2008年3月17日 13:23

2008-02 福岡 VS 水戸

アビスパ福岡のホーム開幕戦の観戦に行ってきたのですが、筆者にとっても2008年サッカーの幕開けと相成りました。

スタジアムに到着して驚いたのが観客の多さ。今年もJ2での戦いに甘んじてしまった福岡でしたので、ここまでの人手は計算していなかったのですが、この観客の多さは今年の注目度の高さを表しているのでしょうか。逆に言うと今年、この観客たちの期待を裏切ってしまうと恐ろしいことにもなりかねないとも思いました。藤枝ブルックスが福岡に移転して以来、胸スポンサーとして援助していたジョージアも昨年で撤退した(チームサポートは続けている模様)事ですし、結果を出さなければならない逆風の中での船出という事だけは確かです。

さて、試合ですが新加入の選手に注目をしておりました。その中でも一番の目玉選手はグリフィス。Aリーグの得点王というふれこみで来日したのですが、得点を取るということはリーグのレベル云々を抜きにしても得点センスがあるということで期待をしてみておりました。実際、試合当初にクロスに対してディフェンスの前にでようとする素早い動きや、裏に抜けた時のスピードなど、アグレッシブに動く姿が好印象で、活躍を予感させる動きと思った矢先の怪我による交代。もっと見たかった選手でしたが、この怪我が長引くものかどうかが気になりますね。6月末までの契約ですが、そのまま退団ということにならない事を祈ります。

次に気になったのはタレイ選手。この選手は...この表現を見た人によって捉え方が変わるでしょうが、「古い時代の司令塔」というのを感じました。パスセンスとその的確さ、そしてボールを奪われない足元のボールコントロールに関しては抜群の動きを感じました。広い視野で長短のパスを織り交ぜ、またそのタイミングも秀逸。試合の組み立てやゴールに直結するラストパスも出せるポテンシャルを感じました。ここ最近での福岡にはなかなかいなかったタイプですね。

...が、反面、もしかしたらコンディションがあがっていないだけかもしれませんが、試合を通じて感じたのは運動量の少なさ。少なくとも、公式サイトにあがっている「豊富な運動量」という点を感じる事はありませんでした。前半にイエローカードをもらったシーンは明らかに遅れて守備に入ったつけ(抜かれるとピンチになる所でイエローを覚悟しても止めたところは評価できますけどね)が回ってきた部分でもありますし、スライディングなどで簡単に抜かれるシーンがあったのは今後の不安要素でもあるのではないでしょうか。タレイのコンディションが上がってきた時がまた判断のしどころなのかもしれませんが、現段階ではボランチで組む選手はハードワークのできる相方と組ませた方がチームとしてのバランスがとれていい結果が生まれるでしょうね。

実際、中盤の守備という点においては、福岡は水戸のパスの出し手に対するプレッシャーがまだまだ足りていませんでした。水戸もパスの選択肢が豊富にあるわけでもないのですが、それでも繋がれてピンチを迎えようとしていたのはパスコースを狭めるような動きが中盤に少なかったからだと感じました。繋がれた後の水戸のラストパスの精度の低さに助けられた面もありましたし、この試合は快勝しましたが、実際に福岡が昇格争いに加わるかという点は、今後の昇格争いのライバルとの試合において中盤を如何に制することができるかという所を見てみたいですね。

黒部と中払に関しては実力通りの動きを見せてくれたというところでしょうか。中払は縦の動きだけではなく、中央にしぼってから仕事ができる選手なので攻撃のバリエーションとしては高まりますね。試合終盤にはポジションをフォワードに移して田中をサイドに張らせての攻撃も試されていました。黒部もポストプレイとしっかりと得点をとる動きは見事。福岡は昨年と比べると、この黒部も含めて全体的にボールをキープできる選手が増えましたね。収まるべき時、収めるべき所でキープできるのは攻撃にしても守備にしても安心感が生まれ戦う上で好循環ですよね。

福岡では最後に中島。この選手はいい選手ですね。スピードもありますし、最後はややバテましたが、運動量もありました。キックも正確ですし、黒部のゴールを演出したフリーキックも見事。久永との息がもっとあってくれば右サイドの中村北斗とともに両サイド攻撃の軸となれる選手となりそうです。守備に関してはもっと見てみないと分かりませんけどね。彼は確か鈴木規郎と同級生だったと思うのですが、同じ高校で左足の鋭い選手が二人もいたのは驚きです。

さて、水戸ですが、筆者なりに感じたポイントとしては、両サイドハーフの出来が悪かった事があったのではないかと思います。あのポジションで1VS1で勝負できる選手が他にもいると思うのですが(真行寺など)勝負をしかけてクロスまで繋がる動きができなかったのが残念です。中盤からフォワードにボールがでて、いい形で収まった時にもそれをフォローする動きが遅れてしまう面も見れました。サイドに張ってボールを待つのか、中央にしぼってフォワードとともにゲームを作るのかという動きはチームの中での制約があるのかもしれませんので難しいですけどね。

後は水戸は全体的に細かいところの技術不足。いいパスが出てもそれが2本、3本と続いていかないのが残念でしょうがありませんでした。極めて当たり前の事ですが、いいパスが2、3本繋がって、そして最後に的確なシュートを放たないと点になりません。この点を取るプレイにおいてせっかくいいタイミングでパスを出してもそのパスのボールが正確に飛ばないかったり、シュートを放ってもそのシュートが枠をとらえ切れていないなど、もったいないシーンが多かったですね。まあ、ビジュの宇宙開発を久しぶりに見る事ができてそれはそれで懐かしくてよかったのですが(笑)

ビジュは水戸の中においてキープレイヤーとなっていました。ビハインドの際にはリスクを背負ってでも前にでて攻撃参加して十分チャンスを作り出していました。ワンツーによる中央突破は福岡のディフェンス陣を置き去りにして対応させせんでしたし、まだまだJ2でやれる選手ですね。

そういえば、水戸は、3年前にも同じ中村北斗に中央を4人抜きされてゴールを奪われたシーンがありましたが、それを繰り返してしまいましたね。今回は中央へのドリブルでPKを取られてしまいました。同じ過ちを犯してしまえば試合をものにできませんよね。

両チームともにこれからチームを作り上げていく上で課題が明らかになった試合だったのではないでしょうか。開幕してすぐでありますので十分修正できると思いますし、ここからが指揮官の腕の見せ所ですね。

 

J1・J2開幕ザッピング

2008年3月10日 12:33

土曜日は所用(部活遠征)のために開幕試合に行けませんでした。

今日の朝、放送された鳥栖VS山形の飯尾のゴールシーンを見ましたが見事なシュートでしたね。はじめから(山形の選手がヘディングでクリアした瞬間に)シュートを打つという意志がないとなかなか狙えないゴールだと思います。開幕を勝利という結果で船出した鳥栖はメンタル面でもいい方向に向きますし、素晴らしいスタートが切れたと思います。次節に対戦がないのが残念な所ですが、3/20のセレッソ戦での結果も期待しております。ただ、キムシンヨンがでられないところが懸念されます。セレッソ戦がもっと後であれば藤田のコンディションが間に合う可能性があっただけに、2戦目でセレッソ戦が回って来たのはやや残念ですね。

さて、日曜日は遠征先から昼過ぎには自宅に戻れましたのでいろいろな試合をザッピングして見てみました。ちょっとだけ感想を。

甲府
選手と監督が変われば、戦い方を変わるのもやむを得ないとは思いますが、昨年までのような軽快なボール回しがやや影をひそめていましたね。その原因の一つは単純にミスが多かったからのように思えます。細かいパスを省略して、羽地に単純に合わせる機会をもっと多く作った方がよかったのかどうかは微妙な所ですがね。前田なども含め、新しい選手がフィットしてくると怖そうですけどね。この試合は甲府らしくない戦いかなとは思いました。

岐阜
地域リーグやJFLで見た感じよりも守備が粘り強くしっかりした気がします。相手のミスから得点が取れたのはラッキーでしたね。それまでにもチャンスを作っても点が取れていなかったので、助かったというところでしょうか。選手層が薄く、前線のタレントが厳しいため苦しい試合は続くかもしれませんね。片桐、小島は確かにいい選手なのですが、彼らが年間を通じての軸となれるかどうかがポイントだと思います。

水戸
ワイドな攻撃ができて(特に右サイド)昨年より前田監督が手掛けた守備一辺倒からの脱却が、監督を変えてからもじわじわと効果を上げてましたね。ただ、フィニッシュを決める選手がいないのが残念でした。ミドルシュートなんかもいいのはあったんですけどね。

C大阪
ひとりひとりの選手の質が高くて、昨年からの継続性もありますし一番怖い存在だと確信しました。一人少ない中でも耐えて耐えて耐え抜いて、さらに追加点を挙げておりますからね。香川はシュート力が増してさらに怖くなっていますね。

大宮
ペドロジュニオールはいい選手ですね。昨年も途中からいたと思うのですが、確変でもしたのでしょうか(笑)中盤に豊富なタレントを誇る大宮なので、彼個人による突破力とシュート力が確実なものとなれば、フィニッシュを決める選手に問題があった大宮としてはいい形で上昇できると思います。また、選手全員のコンディションが良くていい形でシーズンに臨めていると思います。監督も日本人である樋口さんで昨年の開幕当初と違ってコミュニケーションがとりやすいのでしょう。山形で発揮しきれなかった樋口さんのサッカーが大宮で開花するとなると楽しみですね。

新潟
こちらもダビィはいい補強だったように思えます。得点が取れませんでしたが、江角が当たっていましたからしょうがないですね。昨年の開幕時に感じたようなチーム力の伸びしろは特に感じませんでした。昨年は現場で見ていたのと、テレビで見ていたのとの違いからでしょうか。


 

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