アビスパ福岡 VS ザスパ草津 (博多の森球技場)

2007年10月25日 14:05

2007 - 60 アビスパ福岡 VS ザスパ草津

いつものようにメインスタンドアウェー側からスタジアムに入ると、やや消化試合的な意味合いを持つ戦いであるような足取りであった筆者の思いを覆すがごとく、福岡サポーターがメッセージを込めた幕をいくつともなく上げておりました。それはフロント、監督に対するメッセージであったのですがチームの人々にはどのように伝わったでしょうか。筆者は内情を知らない人間なので内容については何も言えないのですが、一番心をついたメッセージは「来年の戦いは始まっている」でした。昨年も札幌(だったような)のサポーターが同じような幕を上げておりましたが、そうなんですよね、今年ですべてが終わりではなくて、また来年、再来年とチームを続けていく歴史の中の一歩はいま現在なんですよね。


そんなサポーターの思いとは裏腹に試合自体には今年のチームの成長を思わせるシーンは思い浮かびませんでした。アレックスがいなかったので2トップだったのですが、中盤にスペースがあった分だけ田中と城後がある程度自由に動けるようになったかなとは思いました。ただ、林がボールを受けてもその周りでサポートする選手が誰もおらず。リンコンと林は互いにパスを交換し合った記憶がありません(笑)

サポート、フォローがないと言えば、今日の福岡のサイド攻撃はあまりにも単発具合が顕著でした。中央でまわしてタメを作ってサイドにスペースが空いたところに選手が走りこんでその選手にボールを渡したときに、誰もフォローに入らずに選手個々の突破が前提条件であるかのようにゴール前だけ人が集まっておりました。試合中に一緒に観戦した人に何度となく

「『はい、山形さん、よろしくお願いします』になっちょるよね」
「ははっ、『はい、田中さん、後はまかせました』やん」
「あ!また『はい、久永さん、あなただけが頼りです』だ」

って何回も言っていたらうざがられました(笑)

サイドにボールが出た時にそこからもう一度逆サイドへ展開とか、ボール保持者を追い越すという事がなくて、周りに誰も来ないので、逃げずに攻撃へ向かうとしたら縦への突破からのクロスしか選択肢がありませんでした。サイドの選手に対してフォローが入ったのは後半に入って久藤が入った時だけです。彼はサイドにパスがでると必ずその選手に近寄ってワンツーの形を作ろうという動きが見えました。相手のミスが発生してコーナーキックのチャンスが増えていたのは単なる偶然ではないと思います。もちろん、サイドで1VS1の局面を迎えて勝負に入ることは悪いことだとは思えません。しかしながらその勝負に勝つためにもパスコースをちらつかせておいてからドリブルに入るのと、最初からドリブルしか選択がない状態でしかけるのでは単純に成功する確率が違いますよね。相手の対応のしやすい状況を自ら作り出している形です。

この試合はいつもにもまして攻撃と守備の監督の方針というか、チームとしての試合の流し方に疑問符を抱えざるを得ないシーンがありました。

まずは、失点シーンの前、田中が素晴らしい走りで中央に絞り、草津の選手がそれについていかざるを得ずに右サイドに大きなスペースを開けました。ところが、右サイドの山形選手はまったく上がる気配を見せません。草津のフォワードが二人残っていて山形と川島がついていて宮本一人が余るという形でしたので、相手フォワードと同数になるセンターバック二人のみを残して上がってはいけないという判断だったのでしょう。福岡は大きなチャンスを逃したと同時に、まだリスクを負う時間帯ではないというカウンターに構える守備意識を感じました。

ところが、失点シーンは山形の裏のスペースを狙われたものでした。山形が右サイドでボールを受けて上がって、単純に田中にさばくのではなくて中央のリンコンへのパスを狙いました。確かに中央には大きなスペースがありましたし、リンコンもボールを受けようとして下がって来ておりました。しかしパスの距離は長くなればなるほど正確性を欠きます。ましてやそこのスペースには本来はボランチやハーフがいて組立てるべきところなのですがそれらをすっとばして直接パスを入れようとしているのです。これは大きなリスクもありますし、案の定、草津の選手にカットされてしまいました。逆サイドのチェッコリが比較的自由にやっていたので山形としては動きづらい形だったかもしれませんが、ボールを持って上がっても、ボールを持たずに上がっても自分の後ろにスペースを作るという行為には変わりがないのです。そのあたりのリスクチャレンジとリスクマネージメントにちぐはぐさを感じましたね。

さて、チェッコリと言えば、リードしている状態での後半ロスタイム。福岡の右サイドにボールが入ると猛然とゴール前に上がってクロスを要求しておりましたが、そんなに得失点差が影響のあるような試合だったのでしょうか(笑)案の定、草津がカウンターを仕掛けてあわてて戻る福岡の選手たちでしたが、草津のパスミスに救われました。1点リードしている後半ロスタイムでなぜ草津のカウンターにさらされなければいけないのでしょうか。リトバルスキー監督は自分の目の前を過ぎ去ってゴール前にあがるチェッコリ選手に何も言わなかったのでしょうか。自分が監督だったら激しくしかりつけると思います。

「Go back your position!!」

「名選手、名監督にあらず」という言葉があります。例えばリトバルスキー選手でしたらサイドでボールを受けて相手から二人、三人と迫られても生粋のドリブラーである技術で相手をかわして正確なクロスを上げていたでしょう。しかしながら福岡にはリトバルスキー選手はいませんし、フェラーやミューラーのようなストライカーもいませんし、ブッフバルトのようなストッパーはいません。スター選手がいないチームを如何にして持ち上げることができるか、今年1年で福岡の選手を知り尽くしたリトバルスキー監督にとっては、来年はこれからの指導者としての道筋が開けるか閉ざされるかと言われてもおかしくないくらいのシーズンかもしれませんね。

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