サガン鳥栖 VS ザスパ草津 (佐賀県総合運動場陸上競技場)

2007年9月30日 00:56

 2007 - 55 サガン鳥栖 VS ザスパ草津

芝生の入れ替えを行う鳥栖スタジアムを離れて佐賀で試合を行うという、サガン鳥栖にとっては毎年秋の恒例行事の季節がやってきました。

相変わらず残暑が厳しく暑い気温の中、試合はいつもと違った雰囲気でスタートします。いつもと違うなと感じたのはやはり観客の少なさがありました。DJ YUYAの声もスピーカーの性能の差なのかどことなくくぐもって聞こえましたし、一瞬にしてJFLの雰囲気を感じてしまいました。プロの試合というよりはどこかまったりとしたアマチュアの試合な感じですね。改めて鳥栖スタジアムの壮大さを感じました。

試合ですが、前半から抱えていた問題は中盤の落ち着かなさ。ディフェンスがボールの出しどころがなくて長いボールを蹴らざるを得ない状況、バックパスをせざるを得ない状況が多く見られました。今日の鳥栖の中盤はポジションを固定するというよりは、フラットな形でスペースを狙って飛び出す選手と、飛び出した選手のスペースを埋めるという動きでした。前半は義希が左サイドにいて清水がボランチに入ったり、後半は衛藤が左サイドにいたりという形も見られました。特に前半ではこの形が逆に仇となってしまい、前線で相手のマークをずらしてフリーになるチャンスはありましたが、その分ディフェンスラインとの距離が空いてしまってパスを出すタイミングを逸してしまったときには間延びしてボールを引き出すことができませんでした。タイミングの悪い状態で動きすぎることが逆に選手間の距離が遠くなってしまっていましたね。出て行った中盤の選手がポジションに戻るのが遅れたのもあると思います。

動いてしまってからフォワード二人とその両サイドにハーフがいる形で一直線になってしまってからの動き出しがないのでディフェンスとしては長いボールを蹴らざるをえません。ポストにボールをだそうとするのですが距離があるために草津のディフェンスラインの出足に捕まっていました。フォワードを使わずにサイドを使って行った方がよかったかもしれません。オフサイドも結構取られていましたね。

守備においてはディフェンスライン4枚が人への対応がうまくいっておりませんでした。草津の選手がサイドでボールを持ち、その選手を別の選手が追い越して行く時、センターバックが中央へ入られるのを気にしてその選手をフリーにしてしまったり、逆にサイドバックとセンターバックの二人が追い越す選手を追いかけてしまって中が空いてしまったり。縦を切るか中を切るかというコミュニケーションができていませんでしたね。また、相手が中央でボールを受けたときにディフェンスラインがフラットに引いてしまうので相手に前進の機会を与えてしまったりもしていました。一人がチャレンジ、一人がカバーという役割の受け渡しが果たせていませんでしたね。センターバックは前半早々に内間と加藤が交代したのですが、交代の後に岸野監督が内間に指導していたのが印象的でした。

また、今日は中盤の選手を含めて全体的にプレスができていませんでした。暑い中での連戦の疲れもあるでしょう。組織としてボールが奪えるタイミングが計れていませんでしたね。例えばサイドに相手が一人でボールを受けて、周りにフォワードを含めてサガン鳥栖の選手が4人いる場合に距離を縮めてパスコースを限定する、あわよくばボールを"奪い"に行くということができていませんでした。所謂組織的守備というものができていなかったという感じですかね。局面であるプレイヤーはボールを奪いに行き、あるプレイヤーはスペースを埋めるべくリトリートしてしまう。リトリートするということは相手との間が空くということですので、その場所へ向けてドリブルをしかけられてしまいます。遅らせる守備なのか、奪いにいく守備なのかが徹底できていませんでした。繰り返しますが上記のように局面的な有利な状態でボールを奪いに行くという守備や、一人がパスコースを消してもう一人がひとつダッシュを入れることで相手に対して前を向かせない状態にするという積極的な守備ができていませんでしたね。失点シーンは確か中央でボールを受ける選手に対して柴小屋がボールを奪いに行ってしまった気がします。ところが、プレスに行ったのが柴小屋だけだったのでサイドにはたかれてしまい、柴小屋の背後を気にしなければならなかったディフェンスラインが反対側に振られてミドルシュートを放たれてポストにあたったボールが運なく...という形だったような。VTRを見ていないので間違っていたらすみません。柴小屋のプレスのところは別のシーンだったかな。

今日はこのように積極的というよりは、気候を考えての省エネ守備的なものを感じましたが、その形を目指すならば中盤はラインを整えてゾーンで守る守り方を練習しなければならないと思いました。網を張ってどこか狙ったところにボールが入ったときのみチャレンジに行くやり方ですね。鳥栖としては網をかけるというよりは、攻撃の人間の動き方によって守備のポジショニングが変わる形ですのでスタミナの消耗をやむを得なしとしてでももう一つ高い位置でボールを奪って早い攻撃につなげたいところでした。

攻撃に関してはキックの精度がすべてですね。見えているところや狙っているところはよいのですが、そこへ蹴り切る技術がありません。練習あるのみです。一つ気になったのは、他人のミスに対して選手たちが互いに「なんで!」みたいな形で両手を挙げたりすること。そういう暇があるならば早く自分のポジションを取って、二次攻撃の態勢や守備の体勢を作るべき。ミスを許さない雰囲気を作るのではなく、ミスを取り返す雰囲気を作ることが大事だと思います。今日は動きが止まってしまう事が多くてミスそのものよりもそちらの方が気になりました。

あえて、攻撃に関していうとすれば、野崎がサイドに固執するあまりに中央にスペースがあってもそこを使えなかったこと。また、彼が中へディフェンスを引っ張ってサイドのスペースを作る事ができなかった事。高地のようにサイドにいながらも周りとの関係によってポジションを変えることができたらいいのですが、例えば、衛藤がボールを持って左サイドを上がっているときにワンツーで抜けるポジションへ移したり、中央でミドルシュートが打てる位置にポジションを置いたりというのを見せて欲しかった。結果的には衛藤が一人でサイドを駆け上がってコーナーキックを得たのですけどね。野崎はセレッソ戦もそうでしたが、相手のディフェンスがサイドにふたをしたときには彼が消えてしまいます。今日は吉田があまり上がってくるタイプではありませんのでフォローがないというところでは彼が孤立する(彼の個人技に頼ってしまう)という面があるかもしれませんが、そこが彼の武器であり期待されているところですので頑張って欲しいです。自分が動くことによってサイドにスペースを作る、足元でボールをもらうだけではなくスペースで受けてクロスを上げる、こういった仕事ができるようになったらチームの攻撃が変わるでしょう。廣瀬や野崎にかけている期待は大きいです。

第4クールに入ってなかなか白星を挙げることができませんが、一つでも高い順位を目指して。最後まであきらめない戦いを続けて欲しいです。

 

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