サガン鳥栖 VS アビスパ福岡 (鳥栖スタジアム)

2007年9月 3日 10:17
 2007 - 49 サガン鳥栖 VS アビスパ福岡

今年三度目の九州ダービー!サガン鳥栖がアビスパ福岡を破って今期の対戦成績を2勝1敗としました!!開幕戦での惨敗がウソのような形で素晴らしい快勝劇を演じたのですが...。確かに試合には勝ちましたが、非常に後味の悪さが残るとなってしまったのだけは残念です。

ひとつひとつのプレーに対しての主審や副審の裁きの是非というのは書いたらきりがないのですが、すべての前兆は前半早々に村主に対して出されたイエローがすべてですね。あのファールでイエローを出すのならば、基準がそのファールになってしまうのでイエローを出さざるを得ない展開になってしまいます。まあ、その後に双方に対してイエローの基準が非常に曖昧になっていた部分も多々ありましたけど。村主のそれがイエローならば、このファールもイエローだろう!というのもありましたし。

アビスパの久藤が自らの日記でも書いていましたが、彼の言うとおり選手が熱くなればなるほど、勝ちたいと思う気持ちが強くなればなるほど、選手たちのプレー以外の要因で試合の行方がコントロールされると気持ちの衝動を抑えきれなくなる事は確かにあると思います。気持ちが荒れて、更に試合の展開がうまくいかないと悪循環でますます冷静なプレーができなくなる。最終的に試合が荒れてしまったのは勝ちたい気持ちが空回りして抑えきれなくなったものをぶつけるところがなかった結果だった気がします。それはサポーターも同じでありまして、熱い気持ちをぶつける所が本来とは別の場所(審判)になってしまいました。ものが投げ込まれたのは勝ちたいと思う気持ちの成れの果てと言った感じでしょうか。この試合に対する気持ちが入っているからこその行動だったのでしょう。

ただ、いろいろと経緯はありましたが、物の投げ込みは絶対に許されることではありません。そのことだけは肝に銘じて欲しいと思います。単純に損得で語るのが良いことだとは思いませんが、ペットボトルを投げ込んで、傘を投げ込んで得をするのは誰なんでしょうか?選手たちの発奮材料になるのでしょうか?試合の結果が変わるのでしょうか?それともミスを犯した(と思っている)審判の解雇を招いてくれるのでしょうか?物を投げ込んでも単に自分の気持ちを晴らすためだけにしかなりませんよね。場合によってはチームに対してペナルティが科せられることもありますし、熱くなる気持ちをどうか物に対して当たるのだけは辞めて欲しいと思います。鳥栖も過去には触ってもいないのにPKを取られたこともありました。今後もそのような判定は絶対にないとは言えないのでそのような場面に遭遇したときに如何に気持ちを抑える事ができるのかというのがサポーターとして、一人の人間として大事なことだと思います。

さて、試合の内容なのですが、鳥栖はほぼいつものメンバーでのスタメン、福岡はリンコンを下げて長谷川を投入し、ディフェンスは4バックで試合に臨みました。前半はボールポゼション的には福岡の方が高かった試合展開でした。前節の湘南戦での反省を生かしたのか、ワントップを高めの位置において左右に基点を作らせ、中盤はその1列下の位置で構成し、前線に選手が並びすぎてボールがつながらないという形は修正されていました。福岡の長谷川はボールを引き出そうとする動きをよく見せていましたので、福岡の選手たちはボールを預けやすかったのではないかと思います。実際、前半においては福岡の方が小気味良いパスが回っていました。

対して鳥栖の中盤の守備は非常に危ないものでした。特に得点こそあげたものの清水の動きがあまりよろしくなかったと思います。サイドの局面において相手選手との間をあけすぎるきらいもありましたし、日高とのマークの受け渡しが実にぎこちなかった。サイドにおいてはスペースを埋めるような動きよりも、空いている選手を捕まえて自由にボールを扱わせない事の方が優先されるのですが(自論)、清水はまるでサイドにおいてボランチをやっているかのような振る舞いをみせていました。福岡の複数の選手を気にしすぎてボール保持者との間が空きすぎて、追い込むような形にできず自由にパスを許してしまっていました。簡単にマークをはずさない動きをしていれば彼の後ろにはディフェンスラインもボランチもいますのでチームメイトがスペースは埋めてくれるのです。そのあたりの動き方とチームメイトとの連携が今後の課題ですよね。

本人もゴール以外の仕事ができなかったとインタビューで語っていましたが、自分が浮いている状態というのがわかっていたのでしょう。中央へしぼったり、ディフェンスラインでカバーしたり、マークについたりといろいろ工夫して動いていましたがいまいちしっくりこなかったと感じていたのかもしれません。

前半から福岡の方が全体にポゼションを取って攻めあがっていたのですが、バイタルエリアにボールが入るところで村主が非常に効いていました。村主のカバーリングによって中央のエリアで宮崎やアレックスがシュートを放てる状態に決してさせていませんでしたし、ワントップであったので長谷川に対してクロスがあがっても柴小屋と飯尾の二人で彼を抑える状態にできたものもよかったと思います。福岡はボールはつながるわりには、シュートを打てる状態になる選手がいませんでした。長谷川がボールを受けたあとに前を向けなかったのも少しはあるでしょうね。前を向いた状態になれたらアレックスや宮崎の追い越しやワンツーで中央突破でチャンスを作れたかもしれません。左右にボールを振っている途中での緩急の攻めがありませんでした。そのあたりがボールタッチの柔らかいリンコンとの違いを感じました。もっとも、どちらが基点として優れているかはチームとしての使い方の違いによると思いますが。

そうやってボールを保持して前にでてくると、福岡が失点を喫する際によく見られる全体が前がかりすぎる状態になってしまいます。鳥栖はセカンドボールをうまく拾えたときには、効果的に速攻をしかけていました。特に、右サイドバックである鐵戸がカウンターの攻撃によく参加していました。長い距離をドリブルしてシュートするシーンもありましたし、彼の運動量には目を見張るものがありました。左サイドバックの日高もサイドを独創した場面がありましたね。フォワードは藤田の頑張りはもちろんですが、キムシンヨンもクロスに入ったり、縦に抜けたりいいフォーワードとして質の高い動きをしていました。義希がボールを持って中央に上がったときにキムシンヨンがディフェンスラインを横切って左へクロスに走り、義希のパスが残念ながらカットされてしまったシーンなんかは、攻めも攻めたり、守りも守ったりという互いに集中力のある戦いをやっていましたね。

鳥栖がカウンターで攻めることができたのは、セカンドボールを拾ってからの基点を中央に作れたからというのが大きかったです。福岡が攻めているときの弱点はまさにそこにあります。ボールポゼションを取って両翼の攻撃からシュートまでつながるときはいいのですが、シュートまでいけずに中途半端な位置でボールを奪われたときに中央をケアする人間が中盤にいなくなります。中央にぽっかりとスペースができてしまっているので、そこにボールが入った場合には直接センターバックが相対しなければなりませんし、ここで福岡の攻守の切替が遅れて、攻め側の方が人数が多い状態であればディフェンスはリトリートするしか手だてがなくなるのでワンタッチで回されたりすると決定的な場面を作られてしまいます。鳥栖はすべての点数において(3点目は福岡としてはやむをえないにしても)中央のスペースから始まって早くボールを展開したゴールでした。福岡ではここ数年でいうところのホベルトという選手がまさにここをケアしていたわけでして、彼の不在によって得た攻撃力が諸刃の剣となってしまっていますよね。

もうひとつ、鳥栖が攻めることが出来たのはロングボールに対して、藤田、キムシンヨンが宮本、長野よりも一枚上手であったことです。ロングボールに競る人間は囮でありまして、そこから流れたボールを競った方じゃないフォワードや高地がよく拾っていました。ロングボールが出たときの高地のポジションは跳ね返されることを意識したポジショニングではなく、こぼれたり、そのまま超えていく事を想定していたかのようでした。基点を高い位置で置くことができたのはよかったですね。思いおこせば水戸戦でこれができなかったのが少しだけ悔やまれますが。

とにかく鳥栖の選手たちはよく走っていました。先に点を奪いながらも攻守の切替がよくできていました。試合が荒れている展開だったのですが、試合が切れているときには選手たちが集まって意識あわせもしっかりしていました。開幕戦のときに書いた気持ちが見えないと言っていた姿はこの試合のサガン戦士にはありませんでした。だからこそ大一番での勝利につながったのだと思います。

この試合に勝ったことで3位以内に入るという目がまだまだ消えていないことを確信しました。水曜日の湘南戦も大変重要な試合となります。この試合で勝つことによって3位への勝ち点差がぐっと縮まり、3位の仙台から7位のC大阪までが17勝、鳥栖が16勝と勝ち星の差がほとんどなくなる珍しい展開となります。逆に湘南が勝てば3位に躍り出ることになります。ダークホース的な存在の2チームですが、お互いに福岡に勝利して3位争いを混沌とさせたチームです。いい戦いになり、そして鳥栖が勝利することを願います。

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