サガン鳥栖 VS 水戸ホーリーホック (鳥栖スタジアム)
2007年8月27日 10:30
2007 - 47 サガン鳥栖 VS 水戸ホーリーホック
サッカーをやるにはあまりにも過酷な環境の中にて行われたゲームは、試合終了のホイッスルと同時に両チームの選手が倒れこむという壮絶な試合を経てスコアレスドローという形にて落ち着きました。
試合は終始、鳥栖がボールを保持して攻めこんでいました。水戸はそれをがっちりとうけとめて速攻でチャンスを作り出していました。ただ、水戸が少ない人数でゴールを奪うためにはもう少し選手たちの個人技が必要だったかもしれません。それでも深いところからシュート気味に早いクロスが逆サイドに抜けていくことが何度あったでしょうか。誰かが触っていたら1点入っていたというチャンスを水戸は3回程作っていた記憶があります。ボールキープに差があったとは言え、どちらが勝ってもおかしくなかったという表現が適切なのかもしれません。
鳥栖は、何よりもユンジョンファンの怪我による交代が大きく響きました。中盤の位置からボールを効果的に押し引きできる術を失ったので、ディフェンスラインからのボールの出所がたちまちのうちになくなってしまいました。特に、右サイドにおいて柴小屋がボールを持った時に鐵戸や清水へのボールの供給がままならぬ事が多くなりました。鐵戸は常に上下動を繰り返し、チャンスと見るや清水を追い越し裏へ、裏へと抜けようとしていましたが、それはハーフ(清水)がボールを持ったときに行うべき動作であり、清水が中央へしぼってディフェンスをひきつけている限りはまずはボールの受け手としてその空いたスペースに構えてサイドに基点をつくらなければなりません。逆に清水も鐵戸が運動量豊富に右サイドを抜けようとしたならばその空いたスペースでボールを受けるべく引いてポイントを作り、そこからボランチを経由するか、抜けていった鐵戸を利用するかという形でボールに絡もうとする動きが必要であったと思います。双方共にやりたいことがちぐはぐでありました。
その右サイドが煮詰まっていたからなのか、ベンチからの指示が出たからなのかは定かではありませんが、後半に入ると途端に浅いところからロングボールを中央のキムか藤田に当てる攻撃が始まりました。この動きが奏効して、高さで勝っていた鳥栖は、ゴール前でルーズボールを生み出すという形で攻撃のポイントを高めの位置に置くことに成功しました。中央でつなごうとして散々と小椋とビジュの網にかかっていた鳥栖にとっては、その網を越えていくことがひとつ大きな要素でありましたので、本意ではないながらもその網を飛び越えて攻撃を繰り出していきました。
ところが、後半も15分を過ぎるとそのロングボールも影を潜め、散々とキムがボールを頭に要求していてもボールが引き出せない状態に。それでも、やや動きが落ちてきた水戸の隙をついてつなぎながらやっと小椋とビジュの網をかわしても、大事なところでパスミスが発生してしまって惜しいところでチャンスを逃していました。ボランチをかわしたところでキムや藤田の足元にボールが入っても、ワンタッチプレイや強引な展開へと持ち込もうとして失敗を繰り返していました。その日の午前中のトレーニングマッチで中林が大声で「もっと簡単に!簡単に!」と叫んでいた事が頭をよぎりました。
確かに、ディフェンスの網を一瞬で潜り抜けるチャンスを作り出すにはワンタッチプレイというのは相当なる効果があります。ただ、全体を押し上げようとしているときに難しいプレイの選択でボールを失ってしまうとリズムが作れません。フォワードの選手のロングボールの処理は非常によかったと思いますが、足元でつないだ時のボールキープに関しては彼らのプレイがチームにもたらすものは少なかったように思えます。
実際に攻撃として効いていたのはロングボールでの攻撃でした。センターライン付近からでも右サイドの鐵戸から長いボールがゴール前に入ってシュートチャンスを生み出したことも多数。しかしながら、それは鳥栖の本来のサッカーではありません。目先の勝ち点をとるためにサッカーを変えるのか、それとも今まで自分たちが築き上げようとしたサッカーを守り通すのか。相手のボランチの守備がよいからという理由付けでのロングボールを良しとする気持ちも分かりますし、これから先の戦いを見据えるとサッカーそのものを変える事にも抵抗があります。
実際、選手たちの中にもジレンマがあったように思えます。特に、途中から入った山口はパスの相手を探す事が多く思えました。あくまでも崩しにかかろうとする選手たちと、ゴール前でパワープレーをしかけようとする選手たち、フィールドレベルの中の選手たちでさえ思惑の違いがありましたから、山口も思うようにパスも出せずに終盤の攻撃の停滞となっておりました。彼の動きが一番ベンチの思いとフィールドの思いの違いが現れていたのではないでしょうか。ベンチからロングボールをキムや藤田に当てろという指示がでていたならば、指示を持って送り出された山口は真っ先にそれをやっていたはずですから。それができずにパスコースを探して紆余曲折していたのがすべてを現していると思います。
ゴールが奪えなかったひとつの要因でもある、直接シュートが狙える位置でのフリーキックの精度が悪かった事に関しては練習あるのみです。これには戦術も一瞬の判断も必要なく、ただ止まっているボールをゴールへと狙うだけですから。だからこそ練習あるのみで今回の不成功は責めるべくもなく、明日への糧にして欲しいと思います。
最後に、プロとして最後まで勝利を目指し戦うのは、たとえ観客が100人でも10万人でも変わらない姿勢でとは言うものの、集まってくれた大観衆に勝利の姿を見せられなかったのは残念でした。ただ、彼らは、最後まで勝利を目指して戦ったと思います。足りなかったのはもう一歩の努力。自己判断によってボールをあきらめたりする事がほんの少しだけ見えました。体力的にきつかったでしょうが、それを克服していけばさらに一歩進化できるはずです。結果がでなかったのは非常に残念ですが、我々の歓声は選手たちの胸に響いたのではないでしょうか。潜在的な観客はまだまだいるという事の証明にもなりましたし。
サッカーをやるにはあまりにも過酷な環境の中にて行われたゲームは、試合終了のホイッスルと同時に両チームの選手が倒れこむという壮絶な試合を経てスコアレスドローという形にて落ち着きました。
試合は終始、鳥栖がボールを保持して攻めこんでいました。水戸はそれをがっちりとうけとめて速攻でチャンスを作り出していました。ただ、水戸が少ない人数でゴールを奪うためにはもう少し選手たちの個人技が必要だったかもしれません。それでも深いところからシュート気味に早いクロスが逆サイドに抜けていくことが何度あったでしょうか。誰かが触っていたら1点入っていたというチャンスを水戸は3回程作っていた記憶があります。ボールキープに差があったとは言え、どちらが勝ってもおかしくなかったという表現が適切なのかもしれません。
鳥栖は、何よりもユンジョンファンの怪我による交代が大きく響きました。中盤の位置からボールを効果的に押し引きできる術を失ったので、ディフェンスラインからのボールの出所がたちまちのうちになくなってしまいました。特に、右サイドにおいて柴小屋がボールを持った時に鐵戸や清水へのボールの供給がままならぬ事が多くなりました。鐵戸は常に上下動を繰り返し、チャンスと見るや清水を追い越し裏へ、裏へと抜けようとしていましたが、それはハーフ(清水)がボールを持ったときに行うべき動作であり、清水が中央へしぼってディフェンスをひきつけている限りはまずはボールの受け手としてその空いたスペースに構えてサイドに基点をつくらなければなりません。逆に清水も鐵戸が運動量豊富に右サイドを抜けようとしたならばその空いたスペースでボールを受けるべく引いてポイントを作り、そこからボランチを経由するか、抜けていった鐵戸を利用するかという形でボールに絡もうとする動きが必要であったと思います。双方共にやりたいことがちぐはぐでありました。
その右サイドが煮詰まっていたからなのか、ベンチからの指示が出たからなのかは定かではありませんが、後半に入ると途端に浅いところからロングボールを中央のキムか藤田に当てる攻撃が始まりました。この動きが奏効して、高さで勝っていた鳥栖は、ゴール前でルーズボールを生み出すという形で攻撃のポイントを高めの位置に置くことに成功しました。中央でつなごうとして散々と小椋とビジュの網にかかっていた鳥栖にとっては、その網を越えていくことがひとつ大きな要素でありましたので、本意ではないながらもその網を飛び越えて攻撃を繰り出していきました。
ところが、後半も15分を過ぎるとそのロングボールも影を潜め、散々とキムがボールを頭に要求していてもボールが引き出せない状態に。それでも、やや動きが落ちてきた水戸の隙をついてつなぎながらやっと小椋とビジュの網をかわしても、大事なところでパスミスが発生してしまって惜しいところでチャンスを逃していました。ボランチをかわしたところでキムや藤田の足元にボールが入っても、ワンタッチプレイや強引な展開へと持ち込もうとして失敗を繰り返していました。その日の午前中のトレーニングマッチで中林が大声で「もっと簡単に!簡単に!」と叫んでいた事が頭をよぎりました。
確かに、ディフェンスの網を一瞬で潜り抜けるチャンスを作り出すにはワンタッチプレイというのは相当なる効果があります。ただ、全体を押し上げようとしているときに難しいプレイの選択でボールを失ってしまうとリズムが作れません。フォワードの選手のロングボールの処理は非常によかったと思いますが、足元でつないだ時のボールキープに関しては彼らのプレイがチームにもたらすものは少なかったように思えます。
実際に攻撃として効いていたのはロングボールでの攻撃でした。センターライン付近からでも右サイドの鐵戸から長いボールがゴール前に入ってシュートチャンスを生み出したことも多数。しかしながら、それは鳥栖の本来のサッカーではありません。目先の勝ち点をとるためにサッカーを変えるのか、それとも今まで自分たちが築き上げようとしたサッカーを守り通すのか。相手のボランチの守備がよいからという理由付けでのロングボールを良しとする気持ちも分かりますし、これから先の戦いを見据えるとサッカーそのものを変える事にも抵抗があります。
実際、選手たちの中にもジレンマがあったように思えます。特に、途中から入った山口はパスの相手を探す事が多く思えました。あくまでも崩しにかかろうとする選手たちと、ゴール前でパワープレーをしかけようとする選手たち、フィールドレベルの中の選手たちでさえ思惑の違いがありましたから、山口も思うようにパスも出せずに終盤の攻撃の停滞となっておりました。彼の動きが一番ベンチの思いとフィールドの思いの違いが現れていたのではないでしょうか。ベンチからロングボールをキムや藤田に当てろという指示がでていたならば、指示を持って送り出された山口は真っ先にそれをやっていたはずですから。それができずにパスコースを探して紆余曲折していたのがすべてを現していると思います。
ゴールが奪えなかったひとつの要因でもある、直接シュートが狙える位置でのフリーキックの精度が悪かった事に関しては練習あるのみです。これには戦術も一瞬の判断も必要なく、ただ止まっているボールをゴールへと狙うだけですから。だからこそ練習あるのみで今回の不成功は責めるべくもなく、明日への糧にして欲しいと思います。
最後に、プロとして最後まで勝利を目指し戦うのは、たとえ観客が100人でも10万人でも変わらない姿勢でとは言うものの、集まってくれた大観衆に勝利の姿を見せられなかったのは残念でした。ただ、彼らは、最後まで勝利を目指して戦ったと思います。足りなかったのはもう一歩の努力。自己判断によってボールをあきらめたりする事がほんの少しだけ見えました。体力的にきつかったでしょうが、それを克服していけばさらに一歩進化できるはずです。結果がでなかったのは非常に残念ですが、我々の歓声は選手たちの胸に響いたのではないでしょうか。潜在的な観客はまだまだいるという事の証明にもなりましたし。

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