アビスパ福岡 VS 水戸ホーリーホック (博多の森球技場)

2007年7月 3日 10:53
2007 - 37 アビスパ福岡 VS 水戸ホーリーホック

それができているかどうかはともかくとして、チームとしてやりたい事が見えているチームとやりたいことがまだ見えていないチームの差が現れた試合結果でした。無論、個人能力の差に関しては言いようのない事実なのですが、それ以上に水戸のサッカーとしての現段階での未成熟さが顕著に現れたと思います。

昨年までの水戸はミトナチオという言葉に代表されますようにディフェンスラインを引いた状態で人数をかけて自陣ゴール前での守りを重視する戦い方でした。しかしながら昨年くらいからは前田監督も公言しておりますように、守りからのカウンターによる攻撃のみならず、ボールポゼションを高めて自らの力でシュート、ゴールまで持っていくサッカーを模索しております。

その証拠と言ってはなんですが、ディフェンスラインに関しては以前のような悪い言い方をすれば"ドン引き"と言った印象はありませんでした。4枚のディフェンスを並べ、その前にボランチであるビジュと小椋の双方が状況に応じてファーストプレスやカバーリングの守備を行っておりました。事実、この試合では福岡の中央を担っておりますリンコンとアレックスに関してはゲームメイクの部分において(あくまでゲームメイクにおいて)は仕事をさせておりませんでした。特にアレックスはボールを受けてから前を向くこともままならずに自然とボランチの位置までボールを受けに戻ったりする場面も見られました。もしかしたらアレックスをあの位置で使う事そのものに問題があるのかもしれませんが。リンコンもポストプレイらしい動きで上下の動きでフェイクを入れながらディフェンスラインとボランチのギャップを作ろうとしてボールを引き出していましたが、なかなか前を向いていい形でしかけることはできませんでした。

ところが、水戸はボールを奪って攻撃の場面になっても、攻撃に人数をかけることができません。フォワードにボールが納まらないとか、ハーフのポジションが悪いとか、ボランチが攻撃に絡めないとか、いろいろ問題点はあるでしょうが、そもそものパスの精度やボールをもらおうとする運動量が全体的に少なかったので攻撃になっておりませんでした。後半に入ってきた眞行寺なんかは中央へしぼったり、サイドから飛び出そうとしたりといい動きを見せていましたが、残念ながら回りがそれに気づかずにボールがでてこず。こういった交代選手の動きを生かせない面からもチームとしての攻めの形が見えないのを感じました。

そうこうするうちにディフェンスラインをあげることによって生じたキーパーとディフェンスラインの間のスペース、その中でも特にサイドの"裏"といわれる部分をいとも簡単に破られだしました。ボランチからの長いボールの供給によって田中に非常にいい仕事をされていましたね。ディフェンスラインを上げている分だけコンパクトになるので、相手のボランチに対してのプレスも上がっていくはずなのに、肝心な部分にプレッシャーがかかっていませんでした。裏を抜けられるサイドチェンジのロングボールを見るたびに、サイドのハーフ、フォワードの選手がボールへどのようにプレッシャーに行ったらいいのかが理解できていないのを感じました。もちろん、前のプレッシャーだけの問題ではなくて、ボランチがディフェンスラインに近いポジションを取っている場面も多くてディフェンスラインをあげられずにオフサイドがとれなかったという点も原因のひとつにあると思います。まあ、全体的に言いたい事なのですが、もっと局面において個々が強いプレッシングをできればここまで相手を自由にさせる事はなかったでしょう。

水戸側の視線で見ていましたので、中央の守備がボランチを含めてある程度守れていただけにあまりにも簡単にサイドを破られる様が残念でなりませんでした。

福岡ですが、田中はいい仕事をしていましたね。裏へ抜けるスピードもタイミングもよかったです。ただ、点を決めた後も1点目を決めたような場面と同じような切込みをしながらシュートを打たずに中央へパスをだしていたのは彼の性格なのでしょうか。相手のサイドバックとの格付けはついていましたのでもっと積極的にシュートを打って貪欲にゴールを狙ってもいいのではないかと思いました。

あと、リンコンの2点目は田中の切り込みのマイナスのボールがアレックスの足元(というより後ろ)に入ってしまい、トラップできなかったのですが、そこにいたリンコンのストライカー適正というかポジショニングのよさというのを感じました。全速力でゴール前に顔を見せるというのをさぼったからこその得点だったのでしょうが(笑)

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