天皇杯 サガン鳥栖 VS 立命館大学 (佐賀県総合運動場陸上競技場)

2006年10月 8日 22:21
今日の鳥栖と立命館の試合で双方の差を一番感じたのはボールを奪う位置とボールを奪ってから攻撃にかける人数の差。

立命館は比較的高い位置からボールを奪って早めに中央の選手へ。そこへボールが入ると一斉に4人が平行に鳥栖のサイドへなだれ込んできます。そこで裏へ抜けたり、クロスに入ってきたり(クロスの動きはお互いに邪魔になったときがあったのがもったいなかったですが)と質の高い動きを立命館の選手が見せるので鳥栖のディフェンス陣もかなり手間取っていました。マークをはずす動きやはずした瞬間に出されるパスのタイミングは非常によかったと思います。そこで序盤から相手に瞬間的にフリーでのシュートチャンスを与えていました。恐らく、チームとしてボールを奪いに行くタイミングがずれていたんですよね。最初から構えてゴール前で防ぐ手立てを考えていたら違っていたかも。

タイミングと言えば、立命館の...10番?何番だったかな?は長い裏へのパスを出せるタイミングでもあえて裏に出さずに、味方のフォローがあることを確信しているかのような"タメ"を作ってリトリートする鳥栖のディフェンスをあざ笑うかのようにフリーで上がってきたサイドへ組み立てた一連の流れはチームの組織力の浸透ならではのプレーだと思いました。

一方、鳥栖は流れの中での組み立てに苦戦。それは単純にボールを奪う位置が低くて攻撃にかける人数が圧倒的に少なすぎたというところに尽きると思います。立命館の1点目だなんて鳥栖のペナルティエリア付近でボールを奪っていますからね。鳥栖も同じペナルティエリア付近でボールを奪いますが鳥栖の場合はそこは自陣ですから(笑)

例えば豊喜がサイドでボールを受けても前も横も立命館の選手のみ。そこから藤田がファーへ抜ける動きを見せたり、山口がディフェンスラインと平行に走ったりしても...ボールは出せませんよね(苦笑)

鳥栖の中盤が結果的に選手が見えていないようなパスを出したりするシーンが多かったのですが、ボール保持者+ツートップという3人での攻撃をやりたいならば豊喜を中央にしぼらせて中央で前を向かせた方が面白かったですけどね。しかしながら、それはサガントスの攻撃戦術ではなく。

まあ、フォローがなかったとは言え、豊喜もそこに誰かがいたとしても、ホアキンかオーフェルマウスくらいしかいないだろ!っていうような鮮やかなスルーパスを連発していましたが(笑)

あと、気になるのは鳥栖には生粋のツートップの動きというか、フォワードらしい連携が見られないですよね。これは今日の試合に限った話ではなく、リーグ戦の中での課題でもありますが。そういったプレイを大学生に見せ付けてやりたいんですけどね。

例えば前日に博多の森で試合を見てきたのでついつい例えてしまいますが、右サイドで内田がボールを受けてドリブルを始めた瞬間、アレックスミネイロが左から右サイドへ入ってくるのを皮切りに柳沢がアレックスミネイロとクロスの形に中央へ入る。そしてセンターバックが2人に釣られて付いていき、サイドバックが絞りこもうとしたのを見越して二列目から野沢がファーサイドに抜けてボールを呼び込むみたいな。(博多の森で鹿島の悪かったところはまた次の日に回顧するとして。)

さて、鳥栖ではそんなプレイはありましたでしょうか?お世辞にも藤田と山口が連携の取れたツートップだったとは思えません。それは藤田が思うようにボールをキープできなかったところもありますし、山口のスピードのなさで最初の一歩の出足が遅れてボールを拾えないというところにもあったと思います。

彼ならばキープできる!彼ならばボールに追いつける!と思えばしっかりとフォローに行くのですが、「奪われたら!」とか「ヘディングで負けたら!」とか思うとそういった失敗時のフォローを狙ったりしてちぐはぐになってしまうんですよね。

どうしても...山口は中盤の選手だと思うし、藤田は本調子ではないし。ツートップがしっかりとしていれば中盤のフォローもしやすかったでしょうが。

どちらにしても、鳥栖の選手が落ち着いてディフェンスラインからボールをしっかりとまわして中盤の選手の崩しで攻撃を行うという事ができなかった以上は格上も格下もなかったと思います。慌ててばたばたと長いボールを蹴ってしまうように相手のプレスと出足がよかったんです。そして今日はまずは天皇杯の初戦を勝てたことに対して喜びましょう!

最後に、こちらはプロ。そして相手はアマ。プロらしい戦いをしなければ!

...という気持ちももちろん分かりますが、選手達のモチベーションを保つにも難しいものがあったでしょうね。

観客もJリーグ公式戦には到底及ばないくらいの観客数しかいません。

『得点を取られたときの悔しさ、逆転したときの歓喜、勝ったときの感動』...ではなく、

『得点を取られたときの呆気、逆転したときの安心、勝ったときの安堵』...といった気持ちではなかったですか?

大学生相手だから!という気持ちはどこかにありましたよね~。もちろん筆者も「今日は何が何でも勝たなければ!」みたいな気持ちで試合を見に来たといえば嘘になります。

選手達も我々と同じような気持ちで試合に入ってしまったかもしれませんね。気持ちというのは試合の内容に如実に出てしまいます。そこを管理できなかったのは、選手だけではなく、チーム全体の問題として受け止めたいです。

さて、次は気持ちを切り替えてリーグ戦ですよ!!!

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