サガン鳥栖 VS ヴィッセル神戸 (鳥栖スタジアム)
2006年8月24日 12:40
完敗
でございました。点数の差以上に力の差を見せ付けられた試合だったと思います。
神戸のディフェンスラインは4-3-3の形だったのですが、左から坪内、エメルソントーメ、河本、北本でした。筆者は一見して4センターバックの形で、攻めは3トップの前線にまかせる形かなと思いきやそれがまったくの正反対。攻め立てるときは坪内と北本が素晴らしいスピードで前線へ攻撃をフォローしに行っていました。
圧巻だったのは後半に入って両サイドバックが上がって鳥栖の中盤を自陣へ押し込んだシーン。北本が攻撃の起点となり、右サイドからクロスがあがって逆サイドの坪内が飛び込んでこようとしたシーンもありました。ボールを奪ってカウンターにはいったかと思ったら最後のシュートは北本だったり、坪内もいい走りを見せてホルヴィからのタメのあるパスを引き出していました。守備面に関しても右サイドから攻撃を作って濱田のパスを正面からユンがシュート打つときには北本が体を投げ出して防いだりと攻守に縦横無尽の活躍でしたね。試合前に4センターバックだなんて想定していたのが非常に的外れだったことを思わされました。
攻めているときにリスクマネジメントは必要なのですが、そこを丹羽(昔からの筆者一押し)がよくカバーしていたと思います。前回、鳥栖スタジアムに来たときは丹羽はサイドバックで出場していたのですが守備的な位置ならどこでもこなすなかなかのユーティリティプレーヤーですね。他の中盤がホルヴィと栗原という攻撃に長けた選手であるためにカバーする範囲が広くて難しかったでしょうけどボール奪取と言うよりはスペースを埋める動きで魅せてくれていました。
先ほどにも書きましたが、ホルヴィは動き、体のキレ自体はそこまでよくはなかったと思うのですが、何よりもキックの精度が抜群でした。神戸は長いボールを入れるときは鳥栖と違って縦に対する(縦に飛び出す選手に対する)長いボールはほとんどいれていません。むしろ、神戸は対角線上にいるフリーの選手に対してしっかりと長いボールを足元に入れていました。その総本山がホルヴィであったと思います。特にダイアゴナルラン(斜め走り)をしてくるパクカンジョの動きをよく見ていて長いボールを正確に入れていました。シュナ潤のファインセーブがなかったら1点と言うのもいくつもありましたよね。また、ホルヴィは前を向いてボールを受けて、タメを作ってサイドからあがってきた選手にボールを供給しておりました。これがサイドバックの効果的な攻撃参加を生んでいたんですよね。
ちなみに(昨年までの)ロッソ熊本も斜めに長いボールを入れてくる戦いが多かったので斜めに入るロングパスを筆者が勝手に"ロッソパス"と名付けております。おっと、失礼、斜めに蹴っても誰も追いつけなくて攻撃につながらないパスが正式な"ロッソパス"です(笑)
鳥栖の攻撃はいたってシンプル。長いボールを早めに奈良崎と新居に入れてくるだけです。ずっと走っていて疲れるので後半は体力と目先を変えるために奈良崎と廣瀬を交代。非常にシンプルで分かりやすい攻めでした。しかしながら鳥栖の場合はキック精度がよくありません。新居と奈良崎、廣瀬はオフサイドにはなっていないので飛び出すタイミングと長いボールを蹴るタイミングは非常によかったと思います。ここは組織としてどのタイミングで飛び出すのか、どのタイミングでその選手へボールをいれるのかというアイデアが一致している証拠だと思います。しかしながらボールがしっかりと足元にいかない...。ゴールラインを割ったり、ゴールキーパーにキャッチされたりとため息ばかりを誘っていました。
このような長いボールに飛び出す新居に対してエメルソントーメと河本も最初はてこずっていたのですが、飛び出すタイミングを掴んでくると段々と慣れてきました。寸前でヘディングでクリアすることが徐々に増えてきましたし、ディフェンスラインを越えたらよほどピンポイントパスで無い限りキーパーの守備範囲といったところにうまくラインをとっていたと思います。
筆者が不満だったのは最初は中央に蹴るのはいいのですが、神戸ディフェンスが中央のケアにはいってセンターに固まっているときにも関わらず蹴りつづけたこと。もちろん、一発のパスを続けることでチャンスになりかけたことはあったのですが、サイドで濱田や山城がフリーでいたシーンはもう少し使ってあげてもよかったのではないかと。一辺倒の攻めではなかなか崩せないので緩急と言う意味でも蹴る場面とつなぐ場面を作ったほうがよかったと思いました。
それはフォワードの2人にも言えることでつねに裏、裏を狙っていましたが片方のフォワードが飛び出してDFをひきつけたときにどちらか一人が引いてボールを受けに来るとチャンスになりそうなシーンもあったのですが、2人で裏へ抜けるのでどうしても蹴らざるを得ません。中盤の底やディフェンスが長いボールを蹴り、そのときハーフの2人(濱田と山城)は守備に行っているか、サイドに開いているかですのでセカンドボールを拾えというのは無理な注文ですよね。昨日の攻撃は中盤から後ろは「蹴らないといけない」前線は「走らないといけない」と言う風に両者が悪循環を生んでいたために無意味に攻撃が早くなり、ロングボールが行き渡らない時の二次攻撃につながりにくいですよね。
この辺りはゲームを作る側がもう少し考えて欲しかったところです。作戦のこともあって難しいところでしょうけどね。そこのヒントがあったのが後半に入って衛藤が入ってからユンジョンファンが1列前に上がったシーンだと思います。義希と衛藤がうまく中盤の底から前線やサイドに上がってきてフリーな選手を作り出していました。また、ボールが持てるユンがゴールに近いところでプレーしていたので攻撃に活気がでてきたと思います。ユンも中盤の底にいたら一発を狙うのでどうしても長いボールが多くなりますが、あの位置にいたら(ある意味)攻撃に対する選択肢が広がりますからね。
ということで、試合を総括いたしますと...。
今回の敗北は組織力による敗北と言うよりは、むしろ組織の中で発揮される個人能力による敗北だと思います。
鳥栖はポゼションサッカーで戦うのか、早いカウンターで戦うのかという双方の選択肢を持っている中で今回は早く長いボールを入れてくるサッカーに徹しましたが如何せんキックの精度が悪すぎでしたし、プレスにボールを失う選手やパスミスで決定的ピンチを迎える選手もいました。
対して神戸は前線の起点となり、シュート力もある近藤しかり、縦に横に走りぬけたパクカンジョしかり、そつのない動きとキックでチームを引き締めた三浦しかり、前述の中盤とディフェンスラインはいわずもがな。
戦い方が整備されてきた神戸はこれからシーズン終了まで大きく崩れることのない戦いを演じそうですが、ポイントゲッターがいないのがどう響くか。連敗もないけど、激しい連勝もないかなという感じですが何と何と「連勝スイッチ」なるものを持っている松田浩前福岡監督をコーチとして迎え入れました。ゲン担ぎも完璧ですね(笑)
でございました。点数の差以上に力の差を見せ付けられた試合だったと思います。
神戸のディフェンスラインは4-3-3の形だったのですが、左から坪内、エメルソントーメ、河本、北本でした。筆者は一見して4センターバックの形で、攻めは3トップの前線にまかせる形かなと思いきやそれがまったくの正反対。攻め立てるときは坪内と北本が素晴らしいスピードで前線へ攻撃をフォローしに行っていました。
圧巻だったのは後半に入って両サイドバックが上がって鳥栖の中盤を自陣へ押し込んだシーン。北本が攻撃の起点となり、右サイドからクロスがあがって逆サイドの坪内が飛び込んでこようとしたシーンもありました。ボールを奪ってカウンターにはいったかと思ったら最後のシュートは北本だったり、坪内もいい走りを見せてホルヴィからのタメのあるパスを引き出していました。守備面に関しても右サイドから攻撃を作って濱田のパスを正面からユンがシュート打つときには北本が体を投げ出して防いだりと攻守に縦横無尽の活躍でしたね。試合前に4センターバックだなんて想定していたのが非常に的外れだったことを思わされました。
攻めているときにリスクマネジメントは必要なのですが、そこを丹羽(昔からの筆者一押し)がよくカバーしていたと思います。前回、鳥栖スタジアムに来たときは丹羽はサイドバックで出場していたのですが守備的な位置ならどこでもこなすなかなかのユーティリティプレーヤーですね。他の中盤がホルヴィと栗原という攻撃に長けた選手であるためにカバーする範囲が広くて難しかったでしょうけどボール奪取と言うよりはスペースを埋める動きで魅せてくれていました。
先ほどにも書きましたが、ホルヴィは動き、体のキレ自体はそこまでよくはなかったと思うのですが、何よりもキックの精度が抜群でした。神戸は長いボールを入れるときは鳥栖と違って縦に対する(縦に飛び出す選手に対する)長いボールはほとんどいれていません。むしろ、神戸は対角線上にいるフリーの選手に対してしっかりと長いボールを足元に入れていました。その総本山がホルヴィであったと思います。特にダイアゴナルラン(斜め走り)をしてくるパクカンジョの動きをよく見ていて長いボールを正確に入れていました。シュナ潤のファインセーブがなかったら1点と言うのもいくつもありましたよね。また、ホルヴィは前を向いてボールを受けて、タメを作ってサイドからあがってきた選手にボールを供給しておりました。これがサイドバックの効果的な攻撃参加を生んでいたんですよね。
ちなみに(昨年までの)ロッソ熊本も斜めに長いボールを入れてくる戦いが多かったので斜めに入るロングパスを筆者が勝手に"ロッソパス"と名付けております。おっと、失礼、斜めに蹴っても誰も追いつけなくて攻撃につながらないパスが正式な"ロッソパス"です(笑)
鳥栖の攻撃はいたってシンプル。長いボールを早めに奈良崎と新居に入れてくるだけです。ずっと走っていて疲れるので後半は体力と目先を変えるために奈良崎と廣瀬を交代。非常にシンプルで分かりやすい攻めでした。しかしながら鳥栖の場合はキック精度がよくありません。新居と奈良崎、廣瀬はオフサイドにはなっていないので飛び出すタイミングと長いボールを蹴るタイミングは非常によかったと思います。ここは組織としてどのタイミングで飛び出すのか、どのタイミングでその選手へボールをいれるのかというアイデアが一致している証拠だと思います。しかしながらボールがしっかりと足元にいかない...。ゴールラインを割ったり、ゴールキーパーにキャッチされたりとため息ばかりを誘っていました。
このような長いボールに飛び出す新居に対してエメルソントーメと河本も最初はてこずっていたのですが、飛び出すタイミングを掴んでくると段々と慣れてきました。寸前でヘディングでクリアすることが徐々に増えてきましたし、ディフェンスラインを越えたらよほどピンポイントパスで無い限りキーパーの守備範囲といったところにうまくラインをとっていたと思います。
筆者が不満だったのは最初は中央に蹴るのはいいのですが、神戸ディフェンスが中央のケアにはいってセンターに固まっているときにも関わらず蹴りつづけたこと。もちろん、一発のパスを続けることでチャンスになりかけたことはあったのですが、サイドで濱田や山城がフリーでいたシーンはもう少し使ってあげてもよかったのではないかと。一辺倒の攻めではなかなか崩せないので緩急と言う意味でも蹴る場面とつなぐ場面を作ったほうがよかったと思いました。
それはフォワードの2人にも言えることでつねに裏、裏を狙っていましたが片方のフォワードが飛び出してDFをひきつけたときにどちらか一人が引いてボールを受けに来るとチャンスになりそうなシーンもあったのですが、2人で裏へ抜けるのでどうしても蹴らざるを得ません。中盤の底やディフェンスが長いボールを蹴り、そのときハーフの2人(濱田と山城)は守備に行っているか、サイドに開いているかですのでセカンドボールを拾えというのは無理な注文ですよね。昨日の攻撃は中盤から後ろは「蹴らないといけない」前線は「走らないといけない」と言う風に両者が悪循環を生んでいたために無意味に攻撃が早くなり、ロングボールが行き渡らない時の二次攻撃につながりにくいですよね。
この辺りはゲームを作る側がもう少し考えて欲しかったところです。作戦のこともあって難しいところでしょうけどね。そこのヒントがあったのが後半に入って衛藤が入ってからユンジョンファンが1列前に上がったシーンだと思います。義希と衛藤がうまく中盤の底から前線やサイドに上がってきてフリーな選手を作り出していました。また、ボールが持てるユンがゴールに近いところでプレーしていたので攻撃に活気がでてきたと思います。ユンも中盤の底にいたら一発を狙うのでどうしても長いボールが多くなりますが、あの位置にいたら(ある意味)攻撃に対する選択肢が広がりますからね。
ということで、試合を総括いたしますと...。
今回の敗北は組織力による敗北と言うよりは、むしろ組織の中で発揮される個人能力による敗北だと思います。
鳥栖はポゼションサッカーで戦うのか、早いカウンターで戦うのかという双方の選択肢を持っている中で今回は早く長いボールを入れてくるサッカーに徹しましたが如何せんキックの精度が悪すぎでしたし、プレスにボールを失う選手やパスミスで決定的ピンチを迎える選手もいました。
対して神戸は前線の起点となり、シュート力もある近藤しかり、縦に横に走りぬけたパクカンジョしかり、そつのない動きとキックでチームを引き締めた三浦しかり、前述の中盤とディフェンスラインはいわずもがな。
戦い方が整備されてきた神戸はこれからシーズン終了まで大きく崩れることのない戦いを演じそうですが、ポイントゲッターがいないのがどう響くか。連敗もないけど、激しい連勝もないかなという感じですが何と何と「連勝スイッチ」なるものを持っている松田浩前福岡監督をコーチとして迎え入れました。ゲン担ぎも完璧ですね(笑)

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