ロングボールを蹴る意図

2006年1月14日 10:43
以下、スポニチアネックスより引用。二宮清純氏と中村俊輔のインタビューです。

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二宮 セルティックの先輩でスウェーデン代表FWのヘンリク・ラーションが「イタリアのサッカーは点をとった人間を褒めるのではなく、どこにミスがあったかを探ろうとする」というような話をしていますね。

中村 ああ、そうだと思いますね。すぐにロングボールを蹴れば、とりあえず自分のミスにはならないじゃないですか。どうしてもそういう心理が働いてしまう。

二宮 そこで、自らの責任を回避すると?

中村 そうですね。監督も平気で「迷ったら前へ蹴れ」といいますよ。

二宮 ゲームをつくる選手にとって頭の上をボールが通過することくらい屈辱的で退屈なことはないのでは?

中村 それでも意図があればいいんですよ。そしてそのことを全員が理解していれればね。

二宮 セルティックでもFWのジョン・ハートソンをターゲットマンにして、彼の頭に当てることが多いですね。

中村 あれはいいんです。ちゃんとした意図があるから。僕もハートソンめがけて蹴るし、他の選手が蹴る時は彼が胸で落としたボールをもらうために走る。ただ蹴っているのではない。残念ながらレジーナでは、とりあえず相手の陣地にボールを置くために蹴っていた。サッカーというよりもラグビーをやっているような感じでした。

二宮 やっぱりサッカーをやりたかったと?

中村 そうですね。僕はサッカー選手ですから(笑い)。

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この文を読むだけで中村俊輔選手が大好きになってしまいました(笑)
筆者も以前に書きましたがロングボールのサッカーは嫌いではないです。むしろボールを早めに動かすことによって必然的にスピーディになり、楽しい面も多いと思います。しかしながらそのためには中村選手も語っているように意図を持って長いボールを蹴ることが重要なのです。

選手の特色としてヘディングが強くて、パスセンスはないがトラップがうまくキープ力がある選手がいたらその選手をめがけて長いボールを蹴ることは決して悪いサッカーだとは思いません。また、ボランチやサイドの選手がボールを受けるとやみくもに蹴るのではなく、しっかりとその選手を狙って蹴る。蹴ったのと同時に2列目の選手や逆サイドの選手がそのボールを察した動きを連動的に始める事ができたらロングボールサッカーもフィールド全体を見回すと非常に美しいのではないかとさえ思います。

もちろん、細かいポジショニングからショートパスをつなぐサッカーも好きですし、別の選手が味方の為にスペースを空けてやりながらある選手はそのスペースを使ってドリブル突破を試みるというサッカーも好きです。要はチームとしてどのような意図を持ってボールを動かし、どのような意図をもってポジショニングを取るかという事。やみくもにボールを蹴ったり、むやみにドリブル突破を仕掛けるようなサッカーだと楽しさはもちろん半減です。二宮さんはこのインタビューだけ聞いたらロングボールがあまり好きではないみたいですね。「屈辱的」のような聞き方をしていらっしゃいますし(笑)

この時期は国見高校のサッカーを否定するような論調を書かれる方もいらっしゃいます。国見高校の練習を実際に見に行った人や国見高校出身の方が書かれている文章を見ると決して単調なパワーサッカーのみを伸ばすような練習はしていません。むしろ自主性と創造性を重んじた練習をしているようにさえ感じられます。このあたりは実際に筆者が見たわけではないのでこの辺で...。

さて、この文章のインタビュー記事にもあったのですが、筆者的には中村俊輔選手は縦へ、縦へとボールを入れたがるような感じだったのが、最近はサイドチェンジを駆使しつつボールをシンプルにまわすことを以前よりも意識しているのではないかと思います。名波選手がイタリアに行って、日本に帰って来てからのプレイスタイルに似ているような気が...。ゲームメイクのプレイヤーはふとしたきっかけでプレイスタイルが変わることが他のポジションよりも多いような気がしますね。以前は中村選手はきらりと光るプレーも多いのですが、ボールを持ちたがって変にボールを奪われたり、狙いすぎて結果的にボールを失ったりするような清濁併せ持つところがあまり好きではなかったのですが、最近のプレーっぷりと上記のインタビューでワールドカップでの活躍を是非とも見てみたい一人になってしまいました。筆者は単純な人間です(笑)

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