大分 VS 鹿島

2005年11月21日 23:54
最近好調すぎるほどの好調の大分が、どん底の時に見た新潟戦、広島戦の頃とどのように変わったかを知りたくて、シャムスカサッカーとセレーゾサッカーの対決を見に大分ビッグアイまで行ってきました。最近、J2(特に鳥栖)の試合に慣れてしまったからか、この日見た試合はまさに驚きと感激の連続でした。

大分を見に行ったはずだったのですがこの試合で一番印象的だったのは、鹿島のディフェンスライン。ボールを奪うと早いカウンターをしかける大分に対して攻撃側(大分)と守備側(鹿島)において3-3のような状況になったりすることが多々ありました。その際に鹿島のディフェンスラインはずるずる下がりません。一人がマークに行って攻撃を遅らせてというやり方をしていたら多分マグノアウベスのスピードに負けてしまって押し込まれていたと思います。しかし、鹿島のディフェンスラインは下がりすぎず、かといってチャレンジしすぎずにぎりぎりのところを保っていました。一旦サイドにパスをだして外に展開してから飛び出そうとする吉田やマグノアウベスの動きを見て、根本や梅田がパスを出す瞬間にラインをすっと...いや、"すっ"と言う言葉は適切じゃないかな、"ききっ"とでも言うのでしょうか、素晴らしい連携でディフェンスラインをコントロールしてオフサイドの罠に捕らえていきました。いやはやフラットに保ちながらも決してパスによって裏を取られる事はありませんでしたね。オフサイドトラップは諸刃の剣であることも確かなのですが、よく訓練されているディフェンスラインだと思います。

鹿島は3バックではなく4バックです。右サイドバックの青木か左サイドバックの新井場が上がっていたらどちらかのサイドの残った選手と大岩、岩政の3人で最終ラインを組んでカウンターに備えていたわけなのですが、どちらのパターンの3人でもラインディフェンスがきっちりと機能していたことがまた二重の驚きでした。組織として成熟されているディフェンスラインを見る事ができてそれだけで大分まで来た価値がありました。思えば鹿島も福岡が降格して以来見てませんからね。強いチームはやはり強いだけの理由があります。

さて、これから下は鳥栖にとっては辛口です。気分を害される方や心臓の弱い方は見ないほうがいいかも(笑)

ディフェンスラインと言えば、一度岸野コーチに聞いたことがあります。

「鳥栖はディフェンスラインのコントロールをしていないように思えるのですが。ファンベルガーの大分やピッコリの時の福岡のように極端すぎるくらいのチャレンジが見てみたいです。」

こんな事を聞いてしまってまさに素人丸出しと思われてしまったでしょうけどね(笑)

しかし、筆者としては個人としてのディフェンス能力がまだまだ成熟していない鳥栖の守備陣で何とかやっていくには、上記のようにオフサイドという個人技が必要ない"ルールを利用した守備"を取り入るのもひとつだと思うのです。鳥栖はどちらかといえば、カバーリング能力に長けている選手が多いので、遅らせる守備をしてディフェンスの人数を増やしてから、1対1で例え抜かれたとしてもカバーリングによって最後のところで防ぐというのも大事なのでしょうが、これだと押し込まれる時にあまりにもべったりになってしまっています。

単純にクロスを上げられるとバロンやバレーや羽地や林や柿本に競り負けるし、スピード勝負だったらバレー(←また登場(笑))や佐々木やパウリーニョや片岡やグラウシオに競り負けるし、こういった状況にならないためにできるだけ個人能力の差を埋める事ができるのが組織的守備ですよね。

だから、ラインコントロールって重要だと思うんです。押し込まれすぎないように、そして局面において人数が少ない状況になってしまってもなんとか効率よく守りきるための技術。しかし今日の鹿島の試合を見て思いました。

鳥栖のディフェンス陣じゃこれはできないなと。

あらゆる状況や局面においてラインをチャレンジするかリトリートするかの選択。これは一朝一夕でできるものではなくて、日ごろの練習や試合、いわゆる経験の中で築かれていくものでもあります。そういった経験というものの差が顕著でありますし、何よりもまずはミスをしない守備力。パスミスで失点するなんて言語道断です。ラインの上下動のコントロールは諸刃の剣とはさきほど書きましたが、いまの鳥栖の守備陣でやってしまったら、逆に裏を取られまくって自らを傷つけるだけになりそうです。

ちなみに岸野さんの答えは
「ラインコントロール云々ではなく、その時に応じて失点しないやり方で守備をさせます。コントロールは手段にすぎませんよ。失点をしない守備を作り上げたいと思います。」

みたいな感じだったかと。ホント、是非とも見てみたいですよ、0点に抑える守備。このところの失点癖が非常に憂鬱でしょうがないですので是非とも頑張って絶対に綻びない守備を築いてください(←負けが込んでちょっと嫌味口調(笑))まあ、試合中のパスミスはいくらコーチでも読めないでしょうけどね。。。そのうちパスミスを想定してからの守備練習が始まったりして(自虐笑)

さて、話を大分に戻します。

大分は吉田の個人技(深谷からのロングボールのトラップ、シュートとあれは個人技の得点と言っていいでしょう。鹿島のセンターバックの2人がちょっとマークがかぶったというのもありますが。)で同点に追いついた後はまさに押せ押せの展開。攻撃に入るたびにビッグアイには歓声がこだましておりました。

鹿島も優勝を目指すためには勝ち点3が欲しいので追いつかれても意気消沈することなく攻めていたのですが、そのあがってくる選手達のスペースを使って大分もカウンター攻撃をしかけていました。そのうちにセカンドボールも拾えるようになり、鹿島も守備に人数をさくようになって大分のペースが続きます。こういったときは3万人の大観衆が入ったスタジアムのサポータの声が響き渡りますね。シュートが決まらなかったり、パスが通らなかったりすると筆者は地団太を踏んだりしていました(笑)

こんな感じで試合に対して興奮したはこのところなかったような気がします。鳥栖の試合で自然に地団太を踏んだのはいつ以来かな?最近はないなー。攻めるときになったらかさにかかって攻めだす大分に素晴らしいほどの興奮を覚えました。

その中でも特に深谷はすごかったです。ストッパーの選手であるにも関わらず、サイドを駆け上がるチャンスとなると見るやオーバーラップしてクロスをあげたり、もちろん本職の守備においてもすさまじいほどのカバーリングを見せたり。そして相手FWとの競り合いにも負けずに、戦う姿勢と奮闘っぷりが目に焼きつきました。この試合の筆者的MVPは深谷です。

ちなみに次点でアレックスミネイロ。いやホント思ったよりも動くし。スペースを作ろうとしたり、ボールを受けに行ったり、飛び出してボールを引き出そうとしたり。ボールを大分に奪われても果敢なチェイシングを行って、それ仇となってファールをよくもらったりもしていましたが、あのチェイシングは守備陣も頼もしく思えるでしょう。得点を取ったときの飛び出しも素晴らしかったですし、このアレックスミネイロやマグノアウベスの動きを見ていたらうちの鈴木師匠がJ1に取られるかもだなんて恥ずかしくて言えなくなってきました(笑)まあ、得点力はありますので評価のポイントがそこになったら分かりませんが(←フォロー)

大分としては、相手が鹿島なだけにここの所連勝しているときのようなサッカーはできなかったでしょう。4-4-2の相手には相性も悪いと言ってましたからね。しかし、以前テレビで見たときよりもトゥーリオの調子が悪かったように思えました。運動量しかり、パスの判断しかり。舵取りが一人かけてしまったら出るパスもでなくて、スペースへ走る選手も走れなくなってしまいますよね。エジミウソンは運動量も豊富でボールキープ力はさすがだなと思いました。時折はリベロの位置のように下がって守備にも貢献していましたし。

他にも吉田の献身的な動きとか、三木の体を張ったディフェンスとか、フェルナンドやリカルジーニョの嫌らしいポジショニングとか、本山の個人技とかいろいろ思うところがあったのですが、もう文章にはしきれないです(笑)

絶好調ではなかったとは言え、大分サッカーを十分堪能させていただきました。引き分けでも納得できる試合っぷりっていいなぁ。

ああ、それと吉田が点を決めて追いついたときにビジョンにシャムスカ監督が映ったのですがすごくかっこよかったです。にこやかに満足そうに選手達を眺める感じで。なんとなくそのシーンだけでも信頼関係ができているんだなということが見て取れました。

来年は福岡がJ1にあがる(ほぼ決定)ので博多の森でJ1の試合を見ることができます。それはそれでうれしいのですが、これだけの技術と熱い戦いを鳥栖スタジアムで見れないのはホント残念です。鳥栖は水戸にも負けてしまって残りの試合をどのような形で戦うのでしょうか?横浜FC戦で気持ちを切り替えて頑張って欲しいですね。

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